前ページ 目次 次ページ

平成14年度の主な改修改良事項

(1) 飛騨天文台太陽活動総合観測システムの新設

平成14年度に、太陽活動総合観測システムが飛騨天文台に新設されました。 これは、太陽磁場活動望遠鏡の新設とマルチチャンネル高分解能撮像装置 から構成されています。 太陽磁場活動望遠鏡は、口径25cm 2本、口径20cm 2本の計4本の屈折望遠鏡を 1台の赤道儀に同架する形になっており、高さ15mの鉄塔の上に、ドームレス 形式で設置されています。 4本の望遠鏡には狭帯域フィルターがそれぞれ設置されており、太陽彩層の 変動および光球のベクトル磁場分布について、太陽全面および活動領域周辺 部分の詳細が同時に観測できるシステムとなっています。 この設置に伴って、地質調査ボーリング、塔体基礎工事、観測操作室設置工事、 観測通路設置工事、電気幹線工事、照明工事、観測操作室空調工事、ギガビット LAN設置等が行われました。


(北井)

(2) 飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡観測装置の整備

前項のマルチチャンネル高分解能撮像装置が、ドームレス太陽望遠鏡に 設置されました。 これは、望遠鏡からのビームを、色分離フィルターによって4分割し、 多色で高分解太陽像を観測するものです。 また、リオフィルターとファブリペローフィルターの長所を併せ持つ 狭帯域高速波長スキャンフィルターシステムも、新設されました。 さらに、偏光観測の精度向上のため、光学部品の偏光特性を調べる (株)ルケオ製歪検査器LSM-501が導入されました。


(北井)

(3) 花山天文台別館5mドームの自動回転装置設置

18cm屈折望遠鏡が収められている5mドームは望遠鏡と連動して 動作するという機構がありませんでした。そこで、望遠鏡の動きに 連動してドームも回転するという装置を製作しました。 原理は望遠鏡の赤道儀R.A.軸とドーム本体にロータリーエンコーダーを 取り付け、赤道儀の動きに応じた分、ドームも間欠運転ではありますが、 動作するというものです。 まだ多少プログラム上のパラメータ変更は必要であると思われますが、 ドーム自動回転を行うことが出来るようになりました。


(仲谷)

(4) 花山天文台の計算機ネットワークの整備

平成 14年度には以下の整備を行いました。


  • 花山天文台LANの整備
    京都大学キャンパスネットワークがKUINS-IIIへ移行する中、 セキュリティの甘いKUINS-IIに残されてしまう花山天文台LANでは 独自にファイアウォールをたてて内部をプライベート化しました。 これにあわせて、NTT Bフレッツ回線側にもゲートウェイを設け、 ウェブ参照、データ転送などを高速にできる体制を整えました。 (下図左)


    新たにファイアウォールとなったkipsuaと、Bフレッツゲートウェイ である kips-bf-gwには新しいパソコンを用意し、OSもTurboLinux 7へ アップデートし、UPSによる停電対策を施しました。



  • ギガビットイーサネット(GbE)ネットワークの一部導入(下図右)

    1. 大部屋の共用パソコン(kipsug, kipsuh)をGbEインター フェースで性能が出るものに更新しました。 大部屋のGbE対応パソコン台数は5台になります。
    2. 大部屋と計算機室のネットワーク配線をGbE (1000Base-T)にしました。 大部屋--計算機室間の配線は、2本を束ねて使うリンクアグリゲーションにより、 帯域は2倍の2Gbps (全二重では4Gbps相当)になります。将来的に、 計算機室と大部屋にファイルサーバ、解析ホストを分散させてもその間の 帯域は確保される計算になります。
    3. 新館と太陽館のネットワーク配線をGbE (1000Base-SX)にしました。 配線自体は以前からの光ケーブルを用い、両端にGbE対応のメディアコンバータ を付けて対応させました。他の建物は順次更新予定です。

    今後はGbEをさらに活用できるようなサーバまわりのアップデートと アプリケーションの開発を進めていきます。

  • 数値シミュレーション用計算機の拡充


    陳さん、磯部さん、柴田先生の科研費により、クラスタパソコンを含む 数値シミュレーション用計算機を数台購入しました。




(殿岡)



前ページ 目次 次ページ
PDFファイル(クリックして下さい)
  • 平成14年度の主な改修改良事項

    前ページ 目次 次ページ PDFファイル(クリックして下さい)