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ブラックホール誕生の瞬間を超新星で視る

―周期的な明るさの変動を示す超新星の発見―

前田啓一 理学研究科教授を中心とした国際研究グループは、京都大学せいめい望遠鏡・国立天文台すばる望遠鏡などによる超新星の観測を通して、 ブラックホール形成の際に超新星爆発が起こり得ること、そのような超新星は特別な性質をもった「Ic-CSM型」超新星になることを明らかにしました。

太陽の数十倍以上の質量をもつ大質量星は、生涯の最期に自分自身の重力によってつぶれてしまい、ブラックホールを形成すると考えられています。 強い重力のため、星の外層の放出を伴う超新星爆発は起こらず、このような現象は明るく輝くことは無いと考えられてきました。 本研究グループは、せいめい望遠鏡・すばる望遠鏡による観測から、超新星SN2022esaが特異なタイプの「Ic-CSM型」超新星であると特定しました。 また、その光度曲線の解析から、超新星において過去数例しか知られていない周期的な光度変動を発見しました。 これらの結果から、ブラックホール形成に伴いIc-CSM型と呼ばれる特異なタイプの超新星爆発が発生することがあることを明らかにしました。 本研究結果は、ブラックホール誕生の瞬間を光で観測できる可能性を示したもので、ブラックホールの起源解明に向けた重要な成果です。

本研究成果は、2025年12月30日に、国際学術誌「Publications of the Astronomical Society of Japan Letters」に掲載されました。

超新星SN2022esaの想像図
超新星SN2022esaの想像図。超新星爆発を起こした星は、もともとは太陽の数十倍の質量をもっていた星が、激しい恒星風により外層を失い、炭素・酸素からなる中心部がむき出しになったウォルフ・ライエ星であったと考えられる。もう一つのウォルフ・ライエ星またはブラックホールと連星をなし、連星の公転運動に伴い、等間隔に連なるリング状の星周構造を作ったと考えられる。©前田啓一