京都大学宇宙会

2007年度 宇宙会総会 観望記

2007年9月22日土曜日、第23回宇宙会総会が、京都大学時計台にて開催されました。昨年に引き続き、不肖私、無責任野郎・中山薫二が観望記をまとめましたので、御笑覧いただければ幸いです。

宇宙会総会。15時10分、昨年同様柴田一成氏の司会進行のもと、黒河宏企会長の挨拶で始まりました。ルーチンの審議事項は勿論粛々と進行、今回の目玉は宇宙会ロゴマークの選定であります。郵送による事前投票の結果、『星と天文台』が投票総数99票中52票を獲得したことが報告され、採用が承認されました。ただ、オリジナルのデザインは星が小さすぎて見にくいとの意見があったので、それを大きくできるか検討することになりました。なお、役員人事について、長らく務められた久保田諄氏の引退が承認されました。

また、総会の議題ではありませんが、黒河会長より、『花山星空ネットワーク』の紹介がありました。これは、花山、飛騨両天文台を使って、一般への天文学の普及と科学教育への貢献を目的としているNPO法人で、黒河会長はその理事長。要するに、宇宙会の皆様、御支援・御協力方よろしく、という宣伝活動であります。というわけでこの場を借りて、改めて宇宙会会員の皆様、よろしく。ドサクサ紛れに著者権限で、も一つ宣伝。筆者が勤める龍谷大学には、『NPO・地方行政研究コース』という大学院修士課程コースがあって、宇物OBにして宇宙会会員、富野暉一郎法学部教授が関わっておられます。黒河会長、『花山星空ネットワーク』の今後のためにも是非とも当コースへ御入学を!

続きまして、講演会。講演者はお二方お招きしました。

お一人目は、コニカミノルタプラネタリウム株式会社取締役社長の今井裕司氏。天文学者を目指した少年時代から、学生運動に明け暮れた宇物時代を経て、ミノルタに入り、さらにプラネタリウム業界で活躍される今に至るまでの経歴、そしてこの業界の現状などについて、話していただきました。驚いたことに、プラネタリウム会社というのは世界にたった4社しかなく、そのうち2社は日本で、その一方がコニカミノルタ。業界の経営戦略の基礎データがまた、雄大というか遠大というか、「日本人は一生に3回プラネタリウムを見に行く」なのだそうです。筆者なんぞ2回しか行っていないわけだから、死ぬまでにあと1回行くわけですよ。フムフム。

さて、かつては天文教育教材だったプラネタリウムも、今や、ハード技術は「本物の星空」を目指して益々進歩する一方、活用の場は、あるいは個人用に、あるいはイベント用に、あるいは地方の観光施設の主役として、あるいは都心のバーのお洒落な夜を演出する名脇役として、随分と多様化している模様。今井氏は、そんな新戦略の仕掛け人というわけです。その一例が、コニカミノルタ直営による、東京池袋、『サンシャインスターライトドーム満天』。リアルな銀河宇宙を体感できる番組あり、芸能人を起用したロマンティックな番組あり、さらには疲れた現代人の心を癒してくれるヒーリング番組あり。筆者3回目のプラネタリウム鑑賞は、ここになるかもしれないね・・・・勿論、ヒーリング目当て。理由は教えない。

引き続いてお二人目は、国立天文台准教授・末松芳法氏、2006年9月23日に打ち上げられた太陽観測衛星『ひので』の初期成果についての報告。光球、彩層、コロナ現象の謎解明に高空間分解能で迫る貴重データが得られ始めているとのことで、末松氏のご専門に関わる可視光磁場観測で得られたムービーを色々見せていただきました。

残念ながら、素人である筆者には、動画が描いている現象を学術的な言葉で説明することは出来ませんが、なんというか、一列に並んだロウソクの炎のようなものがチロチロ揺れていて、どこぞの寺院のお堂のような、キリスト教会のキャンドルサービスのような、そんな趣きの上、時々何かが噴出したりして、なにやら不思議な雰囲気を醸し出している動画ではありました。ともあれ『ひので』のデータは、太陽の磁気現象への理解を、更に飛躍させてくれることは間違いないわけで、今日手伝いに来てくれた柴田さんのお弟子さん、遊んでいる暇はないよ!データは君たちによる理論的解釈を待っている!

さて、講演会終了後、一度外に出て写真撮影のあとは、会場を移動して、懇親会です。(デジカメ貸して下さった参加者の皆様、ありがとうございます。われら事務局、お粗末なことに誰もカメラを準備していなかったのでした。陳謝!)

懇親会場は、昨年使用した部屋の隣にある半分ほどの広さの部屋で、京大名誉教授・加藤正二氏の乾杯の音頭で始まりました。料理は勿論、時計台フレンチ『ラ・トゥール』。

え~と、メニュー選択に関する基本コンセプトを説明いたしますと、昨年の経験を生かして、今年は量は少なめでグレードを更に上げさせていただきました。というわけで、立食としては、昨年以上に凝ったメニュー、ウ~ン黒河会長、Good Job ! それでも最終的には残ってしまったようなので、来年は院生諸君の更なる参加を期待して、若き彼らの食欲に大いに期待したいと思います。頼むぜ!

そうそう、『ラ・トゥール』への個人的な要望を二つ。お蕎麦がくっついて団子状態だったぜ、フレンチ『ラ・トゥール』!去年「蕎麦が旨い」と褒めたとたんにこれだもの。来年は、懇親会開始のタイミングを見計らって茹でるようお願いしますよ。それから日本酒ですけどね、やっぱり1種類のみというのはさすがに飽きるぜ、フレンチ『ラ・トゥール』!是非しっかり研究して地酒の種類を増やしておいていただきたいものである。以上、来年までの宿題!

さて、実は懇親会中、何人かの方に興味深いネタ噺を披露していただいたのですが、なにぶん当方、酔っ払ってしまってよく覚えていないのですよ。そういうわけで今回は割愛させていただきます。乞う御寛恕。

・・・・そんなこんなで今回も無事終了しました。参加者の皆様、ありがとうございました。そして役員の皆さん、お疲れ様でした。