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-- 25 Octcber 1997 --

- From #196 we cite three articles -
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* OAA MARS SECTION
-- Mars Observation Reports of 1996/97 (#018)--
* CMO CLICKS (11) --
* 10 Years Ago (26)(Japanese)
-- CMO #039 (15 October 1987)--



OAA MARS SECTION
1996/97 Mars Observation Reports , #018 ( 16 September - 15 October 1997 ) (English)
1996/97 火星観測報告 第18回 (1997年9月16日〜10月15日) (Japanese)

CMO CLICKS (11)
( English)
(Japanese)


 @今回もマーズ・グローバル・サーヴェイヤー(MGS)の撮影した画像を取り上げる。

 @MGSは九月11日(PDT)に周回軌道に入って以来、来年初めからの本格的観測開始に先立って、テスト撮影が行われているようで、クローズアップ画像が下記のMalin Space Science Systems (MSSS)のウェッブサイトで発表されている。他にNASAのプレスリリースとは違う遠景画像もあり、興味が引かれる。

  http://www.msss.com/mars/global_surveyor/camera/images/index.html

 @今回採りあげるのは、このサイトに発表された八像の中からで、何れも火星に向かっている途上で撮像されものである。八像の中には前号で紹介した20Augの像も含まれる。近接写真についてはここでは触れない。

 @MSSSはサーヴェイヤーに搭載されているMars Orbiter Camera (MOC)を開発した会社で、M MALIN博士によって主宰され、1990年に設立された。JPLやNASAの仕事をしている。初めは1992年に打ち上げられたマーズ・オブザーヴァーに搭載したカメラを開発した。その後も無人探査衛星搭載機器の開発・設計などを行っていて、次に打ち上げが予定されている Mars Serveyor '98 の観測機器も手掛けている。画像撮影機器が主で、観測された画像処理のシステムも開発している様である。MOCは、元々は行方不明になったマーズ・オブザーヴァーに搭載されていたカメラの予備機の転用の様である。マーズ・パスファインダー搭載の機器もマーズ・オブザーヴァーの予備機の転用が多い。予算のやりくりが大変なNASAの掲げる"better, faster, cheaper" な観測計画を担う。

 @さて、八像というのは19Augから21Augに掛けて撮影されたもので、その内 19Aug11:40GMT のものは中央点が (172.4゜W、23.6゜N)で、プロポンティスTが朝を迎え、タルシス山系が東端に來ている像である。三山が黒点として出ている他、オリュムプス・モンスも火口を取り巻く黒いリングが出ている。タルシスは正午近くになっていることから興味深い像である。ただ、R光のため、三山近くの朝靄が明瞭でない。
21Aug9:49GMTの像--中央点(127.2゜W、23.6゜N)--ではタルシスが更に朝方で、オリュムプス・モンスが朝を迎えたところである。アルシア・モンスの暗影が興味深い。この像はソリス・ラクスの西を好く写しだしており、パシスが見えるのではないかと思われる。尚、両像ともタルシス三山など左側にあるが、朝方の特徴を伝えているだけで、午後の姿ではないことに注意する。

 @19Augには他にω=262゜W、ω=352゜W、21Augにはω=037゜Wの像がある。21Augの像は19Augに比して、一割方大きくなっている。


From CMO#039 10 Years Ago (26)
--- CMO #039 (15 October 1987)- (Japanese)

合後の火星は1987年十月には順行して朝方の「おとめ座」に入った。しかし太陽との離角は10度強で、まだ観測のシーズンは始まらない。十月17日には90゚Lsに達して、南半球の冬至の季節になっていた。

 この号には「Coming 1998 Mars」の四回目として、「1988年の火星物理表・その1」(浅田氏)が掲載された。1988年一月から四月迄の毎日のデーターが表示されている。時刻はTDからGMTに変換されていて実用上便利なものである。現在も同じ形式が踏襲され、各接近毎に数ヶ月ずつ分載されている。

 浅田正氏の「花山天文台滞在記(下)」には、八月初めから八月15日に下山されるまでのことが記されている。梅雨明けの時期にしては、この年は天候に恵まれなかったようで曇の夜の記録が多い。七月20日からの26日間の滞在で、「写真36本・スケッチ12枚の成果があったが、やや不満。また機会があればこのような観測をしたい。」と記されている。

 連載中の「D.C.パーカー氏の火星写真(1986年)の紹介」は七回目となった。七月19日(208゚Ls)と七月20日(209゚Ls)の紫色光写真とTP2415による写真三葉の解説がされている。前回と同じ様に、タルシス山系、オリュムプス・モンス辺りの山岳雲の様子や、ソリス・ラクス周辺の描写がある。Lsは現在の1997年十月とほぼ同じで、興味深く読んでいる。

 コラムには「『惑星観測者懇談会』開かる」と題して、九月23日の沖縄金環食の後に開催された集まりの様子が南氏により記録されている。出席者は準備にあたった宮崎勲・伊舎堂弘・比嘉保信・湧川哲雄の沖縄在住諸氏に加え、阿久津富夫・浅田正・石橋力・熊森照明・尾崎公一・松本直弥・南政次・中島孝の日蝕観測訪沖組諸氏が参加して十名を越える人数になった。会は盛り上がり深更まで交誼を深めたとのことである。惑星写真の事・翌火星接近の観測の事など、散会後も話が尽きなかった様子が記されている。

来信には、Jean DRAGESCO氏 (Paris, FRANCE)から近況とSAFの現状が寄せられている(南氏による大意と解説が付いている)。また廬景猷(台湾)からの自己紹介の手紙も註と英訳が付いている。国内からは、小尾哲也氏、石橋力氏、阿久津富夫氏、松本直弥氏からお便りが寄せられた。いつもながら国内からの来信にも全部英訳が付いて、外国の読者にも内容が判るように配慮されている。


(Mk) 村上昌己

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