Ten Years Ago (215)

 

---- CMO #270 (25 March 2003) pp3559~3582 ----

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/cmo270/index.htm


頭には「CMO惑星観測者懇談会」の追加案内として、佐藤利男氏(OAA歴史課長)の講演内容と穴水市の坂下氏の参加が短いコラム記事でおかれている。

 

次いで、この期五回目の観測レポートには2003年二月下旬と三月上旬の報告がまとめられている。この期間に季節はλ=138Lsからλ=152Lsに移り、視直径はδ=5.7"からδ=6.7"に大きくなった。傾きはφ=2Nからφ=6Sと南を向き始めた。位相角はι=36からι=39へと少し欠けが大きくなった。三月に入って火星の赤緯は最低となり高度が上がらず、日の出も早くなり観測時間は伸びなかった。観測報告者は国内から六名、欧州一名、米国二名であった。日本では天候・シーイングともに恵まれず、欠測日が多くなっている。観測内容は日付順に紹介されていて、視直径の増加に伴って情報も増えてきている。暗色模様は季節的に濃くないとされ、白く明るくなっているヘッラスの様子や南極雲の見え方などが報告されている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/2003repo/05/05j.html

 

2001 Mars CMO Note (#17)"A Possible Trigger of the 2001 Great Yellow Cloud Big X Flare at AR#9393" 「太陽のAR#9393活動が2001大黄雲を誘発した可能性」で、太陽活動と黄雲発生の関連について考察している。2001年の大きなX線フレア発生の実例を挙げ、太陽系空間にX線フレアやCME(Coronal Mass Ejections)によって太陽より放出されるエネルギーは地球には磁気嵐などをもたらすが、他の惑星達にも同様に影響を及ぼしている可能性が考えられ、発生時期の早かった2001年大黄雲の引き金になったのではないかという論攷である。多くの太陽データーのリンク先も示されている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/270Note17/indexj.html

 

LtEには、国外からはTAN Wei-Leong (Singapore), Bill SHEEHAN (MN, the USA), P Clay SHERROD (AR, the USA), Tom DOBBINS (OH, the USA), Sam WHITBY (VA, the USA), John H ROGERS (the UK), Carlos HERNANDEZ (FL, the USA), 武揚 (Taiwan), Don PARKER (FL, the USA), Dave MOORE (AZ, the USA), Damian PEACH (the UK)の各氏からの来信がある。ピーチ氏はテネリフェでの観測を終え英国に帰国している。

国内からは、木村精二(東京)、佐藤利男(東京)、森田行雄(広島)、岡野邦彦(東京)、梅田美由紀(福井市自然史博物館)、長 兼弘(石川)、高成玲子(富山)、伊舎堂弘(沖縄)、伊東昌市(東京)、岩崎 (北九州) 保男(滋賀)、日岐敏明(長野)の各氏からの来信があり、五月の懇談会関連の連絡も多い。

 

巻末には"Great 2003 Mars Coming(10)としてGrid Disks with Relative Sizes and Phases in 2003. II2003年の火星の見かけの大きさと経緯度、位相角の変化・そのⅡ」が西田昭徳氏の作図で四月から七月までのグリッド図が掲載された。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/coming2003/10j.html

 

コラム記事では、「新・歳時記村」は十回目となり「鎌倉道」と題して、筆者の散歩道の春の様子を伝えている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/mura_10.htm

 

日岐敏明氏によるTYA#9120年前のCMO#131 (25 March 1993)の紹介である。一月の小接近を終えた火星は遠ざかりつつあり、視直径は10秒角を下回っていた。季節はλ=040Lsから053Lsへ移り、北極冠が明るく見えていた。「報告(Note)」とするコラム記事があり、森田氏の追加報告で12Feb(λ=039Ls)にエリュシウムからケブレニアにかけて明部が記録されたことが取り上げられている。後にCMO#1401992/93 CMO Note(13) で「森田現象」として纏められている出来事である。「夜毎餘言」ではポカリスエットに関して語られている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/270tya91.htm

                                     村上 昌己 (Mk)


日本語版ファサードに戻る / 『火星通信』シリーズ3 の頁に戻る