♂・・・・・・・今期『火星通信』へ報告及び追加報告のあった觀測者及び觀測状況は次の通りである:
AKUTSU, Tomio 阿久津 富夫 (Ak) 栃木・烏山 Karasuyama, Tochigi, Japan
4 Sets of CCD Images (7, 9 July 1999) f/60×32cm spec equipped with a Teleris 2
HIGA, Yasunobu 比嘉 保信 (Hg) 那覇 Naha, Okinawa, Japan
18 Video Images (17, 23, 24, 25 June; 4 July 1999)
25cm spec with Sony DCR-TRV900
ISHADOH, Hiroshi 伊舎堂 弘 (Id) 那覇 Naha, Okinawa, Japan
38 Drawings (16, 17, 24〜27, 29, 30 June; 1, 2, 4, 5, 12, 15 July 1999)
340, 400, 530×31cm speculum
IWASAKI, Tohru 岩 崎 徹 (Iw) 北九州 Kitakyushu, Fukuoka, Japan
12 Drawings (19, 20, 30 June; 5, 6, 8 July 1999) 400×21cm speculum
MELILLO, Frank J フランク・メリッロ (FMl) ニューヨーク NY, USA
3 CCD Images (24 June; 6 July 1999) 20cm SC Starlight Xpress MX-5
MINAMI, Masatsugu 南 政 次 (Mn) 福井 Fukui, Japan
63 Drawings (20, 21, 22 June; 1, 6〜10, 15 July 1999) 400, 480×20cm refractor*
MURAKAMI, Masami 村上 昌己 (Mk) 藤澤 Fujisawa, Kanagawa, Japan
16 Drawings (21, 30 June; 1, 4+, 7, 8, 9, 15 July 1999)
425×20cm Saheki speculum, 400×20cm refractor+ at Nr's
NAKAJIMA, Takashi 中 島 孝 (Nj) 福井 Fukui, Japan
25 Drawings (20, 21, 22 June; 1, 9, 15 July 1999) 400×20cm refractor*
NARITA, Hiroshi 成 田 廣 (Nr) 川崎 Kawasaki, Kanagawa, Japan
24 Drawings (21, 30 June; 1, 4, 6〜9, 15 July 1999) 400×20cm refractor
OHBA, Yoshio 大場 與志男 (Oh) 山形 Yamagata, Japan
1 Drawing (6 July 1999) 320×20cm speculum
PARKER, Donald C ドナルド・パーカー (DPk) フロリダ Miami, FL, USA
6 Sets of CCD Images (4 June; 5, 6, 7 July 1999) f/55×41cm speculum + Lynxx PC
SIEGEL, Elisabeth エリサベト・シーゲル (ESg) デンマーク Malling, Danmark
2 Drawings (18, 19 June 1999) 270×20cm Schmidt-Cassegrain
TEICHERT, Gérard ジェラール・タイシェルト (GTc) フランス Hattstatt, France
7 Drawings (17, 19, 22〜25, 28 June 1999) 310, 330×28cm Schmidt-Cassegrain
WASIUTA, Myron E マイロン・ワシュータ (MWs) ヴァージニア VA, USA
5 Drawings (19, 21, 29, 31 May; 27 June 1999) 360, 550×15cm AP refractor
* 福井市自然史博物館天文臺
♂・・・・・・・次のように期間外の追加報告を受けた。
ISHIBASHI, Tsutomu 石 橋 力 (Is) 相模原 Sagamihara, Kanagawa, Japan
6 B&W Photos (15, 20, 30 April; 17, 21 May 1999) 31cm speculum (R58, B390, Non)
2 Colour Photos (21 May; 1, 11 June 1999) 31cm spec on Fujichrome Provia
JOYCE, Daniel P ダニエル・ジョイス (DJc) イリノイ IL, USA
6 Drawings (5 Jan; 24 Feb; 4, 12, 15, 20 March 1999) 450×45cm spec, 410×60cm spec
TROIANI, Daniel M ダニエル・トロイアニ (DTr) イリノイ IL, USA
15 Drawings (16, 27 March; 13, 24, 26, 27, 29 April;
1, 2, 12, 13, 15, 22 May; 8, 15 June 1999) 480?×44cm spec, 500×25cm spec
WARELL, Johan ヨハン・ヴァレッル (JWr) ウップサラ Uppsala, Sweden
7 Drawings (18,19, 20, 27, 30 May; 7 June 1999) 330×16cm refractor at UU
♂・・・・・・・・北極領域の觀測:
極小状態の北極冠が靄に覆われることなく觀測されるのは160゚Lsぐらい迄ということはよく知られているが(例えば#109p944のFig.1參照、1984年にもそのように觀測されている)、今回は六月の下旬に當たる爲、本土では梅雨の最中で觀測が危ぶまれた。そこで梅雨明けの早い沖縄に期待し、Id氏に特に眼視觀測を依頼した。沖縄は六月23日に梅雨明けし、同時に福井などは本格的な梅雨に入った。七月に入って、沖縄は6〜11日の期間は熱低の所爲で觀測が不可能であったが、逆に福井などでは晴天が續き、結局、この期間全體として殆ど缺測がなく、北極域の觀測が遂行出來た。
以下、日を追って略記するが、結果として、
1) 18June(156゚Ls)迄は北極冠は床の暗帯と共に明確、
2) 27June(161゚Ls)迄は靄を透かして、床の暗帯(例えばリマ・ボレアリス)が仄かに見える状態、
3)以後、床は検出されず、北極冠が靄で覆われる状態に入る。但し、
4)マレ・アキダリウムが朝を迎えるとき、靄はマレ・アキダリウムの方に偏り、北極冠が現出するという現象が確認されている。29June (162゚Ls)のId氏の觀測や4July (165゚Ls)のId氏及びHg氏の觀測、8July (167゚Ls)のMnの觀測などがそれである。
5)從って、北極冠が靄っていると云っても、經度によって異なる可能性がある。つまりマレ・アキダリウム等の低地は特異點で、マレ・アキダリウムの様な低地の朝では北極冠は明確だが、その後その領域が午後、夕方、夜となるにつれて朝霧を構成した水蒸氣が靄として極地に集結すると云うことかも知れない。
今回はこの北極域のクリティカルな状態を觀察する最後の機會であった。2001年には五月中旬に視直徑δは16秒角で、160゚Lsを迎えるが、φが南を向いているから、北極域の觀測は出來ない。
尚、北極域の觀測は餘程の條件でなくては確かにならない。シーイングが悪ければ、簡單に北極域は暈けて來て、北極冠は見えないなどとなるからである。以下では良質の觀測だけ抽出する。
15June(155゚Ls)まで北極冠が明確であったことは前回報告した。
16June(155゚Ls)にもId氏は雲の切れたω=233゚W(14:10GMT)、及び246゚Wで好シーイングに惠まれ、北極冠を明白に觀測し、オリュムピアも淡く見ている。
17June(156゚Ls):Id氏はω=193゚W(12:00GMT)でリマ・ボレアリスが明確で、オリュムピアが乗っている(南側は不明瞭)。北極冠は小さく感じる。食事後ω=209゚Wでも北極冠は明確、曇るが、ω=231゚W(14:40GMT)ではオリュムピアが傾いている。Hg氏のω=191゚W〜220゚Wでも北極冠と思われるは白點は可成り明るい。
18June(156゚Ls):デンマークのシーゲル(ESg)さんがω=314゚W(21:00GMT)で觀測、北極冠を非常に明るくクッキリ見ている。
然し、19June(157゚Ls)にはIw氏のω=176゚W(12:10GMT)で北極冠は明確ではなく、北極域がやや大きく白く明るい。ESgさんはω=302゚W(21:50GMT)で北極冠の明るさから"非常に"を省き、六月初めより大きくなった様に觀測している。靄の所爲かもしれない。
20June(157゚Ls)の福井のω=138゚W(Mn)、ω=142゚W(Nj氏)の觀測では北極冠は確實に見えるが、輝きはなくリマ・ボレアリスが捉えられない。然し、ω=162゚WでNj氏はリマ・ボレアリスを部分的に見ている。Iw氏もこの日はω=157゚W、167゚Wで、靄は殆ど見られず、北極冠を描いている(シーイング7〜8/10)。Mnもω=167゚Wで北極冠を見、リマ・ボレアリスを微かに捉えている。
21June(158゚Ls)にはω=128゚W(Mn)、ω=133゚W(Nj氏)、ω=138゚W(Mn)で北極冠を可成りハッキリ捉え、リマ・ボレアリスも検出している。その後シーイングは悪化するが、ω=177゚Wまで白さは保っている。22June(159゚Ls)ω=121゚W(Nj氏)、ω=126゚W(Mn)では北極域は晴れていると思われるが、北極冠は輝きがない。ω=155゚W(Mn)、ω=141゚W(Nj氏)では透明度が良好だが、北極冠はコアとして形態が判る程度で、艶がない。
23June(159゚Ls):Hg氏のω=134゚W、ω=154゚Wでも北極冠は見えるようである。ただ、その東側にも明斑があるような感じがする(オリュムピアは西側)。
24June(160゚Ls):
メリッロ(FMl)氏
がω=338゚W(01:49GMT)、359゚Wで撮像、前者では北極冠が出ているようである(Wr25)。梅雨明けのId氏はω=142゚W(13:00GMT)、151゚W等で觀測、北極冠はやや靄っているが、リマ・ボレアリスが淡く見え、後者ではオリュムピアも検出可能のようだ。ω=176゚Wまで觀測。
25June(160゚Ls):Id氏はω=135゚Wで觀測、北極冠部は明るいが明確ではない。但し、オリュムピアが朝方に見えるようだ。ω=152゚Wでは相當暈けた感じで、靄っているか、というところ。タイシャート(GTc)氏はω=237゚W(20:10GMT)で北極冠は白い。
26June(161゚Ls):Id氏はω=108゚W、北極冠の境界の暗線が微か。以後シーイング劣化。
27June(161゚Ls):ワシュータ(MWs)氏がω=307゚W(01:40GMT)でスケッチ、北極冠ははっきりしない。Id氏はω=096゚W(11:50GMT)、シーイング良好(7/10)、北極冠の周りの暗線が微か、然し、大きく靄が擴がるか。ω=106゚Wも同様。ω=118゚Wではオリュムピアが見えてきたか。ω=143゚Wまで觀測。
28June(162゚Ls):GTc氏はω=208゚Wで北極冠(北極雲)は淡化(22June邊りから同じ表現)。
29June(162゚Ls)にはId氏がω=066゚W(11:00GMT)から、北極冠は明るくなく燻んでいるが、獨立し、一方朝方バルティアに霧の塊がある。ω=075゚Wも同様。ω=085゚W、朝霧が中に入って來ており、北極冠は目立たないが、獨立している。
30June(163゚Ls):Iw氏ω=063゚W、北極冠の大きさも輝きも捉えられない。ω=073゚Wで形を見たか、という程度。Mk氏はω=078゚Wで北極域は青白い。Id氏ω=088゚W、北極冠不明瞭、ω=100゚Wでも明るさは感じるが同様不明瞭。
1July(163゚Ls)δ=11.5":Mnω=034゚W(10:10GMT)ではヒュペルボレウス・ラクスが確認出來ない。ω=064゚Wでは核があるか、というところ。Id氏はω=061゚Wで北極冠は目立たないが、形は確認出來る程度(シーイング7/10)。
2July(164゚Ls):Id氏はω=040゚Wで北極域が大きく、縦に二つ玉になっている。下(北方)が北極冠だろう。
4July(165゚Ls):Id氏ω=021゚Wなど、マレ・アキダリウムの北に白い靄玉があり(この點については後で詳説、Hg氏の映像も得られている)、北極冠も出ている模様。
5July(165゚Ls):
唐那・派克(DPk)氏
がω=228゚W(01:25GMT)で撮像、B光では靄、R光では北極域は何もなくノッペラである。天蓋の靄が可成り厚く、赤色光でも透らないと見える。Iw氏がω=016゚W(11:30GMT)、北極域はトンでいる。Id氏はω=019゚W、マレ・アキダリウムの北に白玉があり、その更に北に北極冠か?ω=033゚W、矢張り二重白玉。
6July(166゚Ls):
FMl氏
がω=217゚W(01:19GMT) で撮像、北極冠は冩らない。Wr47でも冩っていない。
DPk氏
はω=228゚W(02:03GMT)、前日と同じ、R光では北極冠は存在しない。Mnがω=345゚W(10:00GMT)から、北極域は明るいのみ、ただ、ω=014゚W邊りから白い核或いは天蓋が見られる。Oh氏はω=357゚W、北極域朝方に明るい斑紋。Iw氏はω=026゚W、036゚Wで北極域は白く大きい擴がり(シーイング2~3/10)。
7July(166゚Ls):DPk氏
はω=212゚W(01:38GMT)、R光では矢張り北極冠は出ないが、リマ・ボレアリスの片鱗が見えているとも言えないことはない。Mnはω=335゚Wから、北極域は明るいが、ω=012゚Wでは、核が見えるか、というところ。Ak氏はω=355゚W等で撮像、北極域は白く明るいが北極冠は冩らない。
8July(167゚Ls):Mnはω=323゚Wからであるが、この日はマレ・アキダリウムの北に朝霧がω=333゚W邊りから見え始め、ω=024゚Wまで追ったが、ω=012゚Wではこの朝霧は円盤の可成り内部に入ってきており(これは前日の様子と異なる)、實は朝霧の存在が明確になると共に、北極冠が見えて來た。Iw氏はω=348゚Wだけだが、北極域は白く大きいのみ。
9July(168゚Ls):福井はω=316゚W(Mn)、ω=321゚W(Nj氏)から。北極域は明るいのみだが、ω=326゚Wからやや核を感じる。然し、この日は前日に比べシーイングが優れない。Ak氏はω=328゚W、348゚Wで撮像、北極域白い。R、IR光では出ない。
10July(168゚Ls):Mnはω=307゚Wから。この日は北極域の核があり、北極冠が露呈している様な趣であった。
12July(169゚Ls):Id氏はω=319゚Wなど。北極域は極雲に覆われている。
15July(171゚Ls、δ=10.4"):福井はω=257゚W(09:50GMT、Mn)、ω=261゚W(Nj氏)から。北極域は明るいが、Nj氏は時々核を見ている。Id氏はω=281゚W(11:30GMT)から、291゚W、301゚W、308゚W、核は明點として捉えきれない。
以上、ポイントは、北極域が晴れていたと思われる156゚Lsが一つの境である事、リマ・ボレアリスの確認出來た161゚Ls邊りまでが、極地の靄が淡かったと考えられる事、以後可成り靄が濃くなるが、マレ・アキダリウムの朝方には北極冠が顔を出すことがあるという事などであろう。ただ、海外でのマレ・アキダリウム朝方の觀測がない。北極冠が何時新雪に見舞われるかどうかの判断は難しいが、靄の方はこのまま北極雲に發展してもおかしくはない。
♂・・・・・・・ ヘッラス:
ヘッラスも微妙な季節を迎えている。Ak氏の9July(168゚Ls)ω=329゚Wのカラー影像では、南極雲は白いのに對し、午後端のヘッラスはやや赤味を帯びている。これは青色光よりも赤色光でヘッラスが明るく出ているからのようである。FMl氏の24June(159゚Ls)ω=338゚W等でも赤色光でヘッラスは明るい。Id氏の12July(169゚Ls)ω=332゚Wでは、ヘッラスから南極雲に掛けて明るく出ている(輝度は2〜2.5の由)。Mnは略同じ様な角度で7July(166゚Ls)〜10July(168゚Ls)まで觀察したが(それぞれω=335゚W、ω=333゚W、ω=336゚W、ω=336゚W)、これより以前の角度では南極雲が弱いのに對し、この邊りからヘッラスと南極雲が對等になって來る様である。ω=343゚Wでは南極雲の方が明るい。靄はそれ程濃くはないようだが、ω=352゚W迄は可成り確認出來る(ω=002゚Wでも痕跡は見える)。
1984年の經験では、例えば20June1984(167゚Ls、δ=15.3")にはω=343゚Wではヘッラスは見えていたが、ω=014゚Wでは見えていないという結果であったから、1984年と同じ様な状態であると思われる。最近との比較では30May1999(147゚Ls)、29Apr1999(131゚Ls)等でヘッラスを捉えているのはω=355゚W邊りまでと言えるから、未だ然程違ってはいない。ただ、131゚Lsの段階ではヘッラスの南が暗く、南極雲を隔てていたから、寧ろ南極雲の様子が違っていたわけである。季節的には前の20Mar1995(075゚Ls、ι=25゚)と比較すると、ω=349゚Wではヘッラスはもっと白く明るく、ω=358゚Wでも充分殘っている。
15July(171゚Ls)にはCMを通過した。この段階でも靄っていて、Id氏はω=301゚Wで明るさは未だ變化していないと判断している。福井(Nj氏、Mn)ではω=257゚Wからω=300゚W まで觀測したが、靄っていて明るく、南極雲とは連なっていると判断した。然し、ω=286゚Wでも未だ午前8:15LMTほどである(ι=42゚)。
♂・・・・・・・ 南極雲:
1986年の經験では160゚Ls台の後半では南極冠が顔を出し始めているので、南極雲もクリティカルな局面にある。然し、例えばId氏の全38觀測を眺めても南端の明部の形状に落ち着きがなく、未だ南極雲が大きく支配しているようである。Hg氏の17June(156゚Ls)のω=190゚W〜200゚Wのヴィデオ像では南極雲は濃く大きく見えるが、24June(160゚Ls)のω=140゚W〜160゚W邊りでは薄くなって見える。Hg氏の25June(160゚Ls)ω=112゚Wの像ではソリス・ラクスが見えるがその南から西に掛けての南極雲の張り出しは複雜で面白く、分析する必要がありそうである。Mnの觀測では22June(159゚Ls)邊りで、一部南極雲の中に明部が見ているが、軸對稱ではない。更に、先に觸れたように、南極雲はヘッラスが隠れ、ノアキスが南中する頃に幅廣くなってきてアルギュレに連なることからも南極雲そのものが對稱でないことが判る。DPk氏の
7July(166゚Ls)ω=212゚W等の影像では南極明部は青色光でのみ強く、赤色光では未だ殆ど出ていない。
♂・・・・・・・タルシス、アルバ:
Id氏は27June(161゚Ls)ω=096゚W、ω=106゚Wでアルシア・モンスを暗點として検出しているほか、アスクラエウス・モンスも認めているようである(シーイング7/10、ι=38゚)。一方、Mk氏は21June(158゚Ls)ω=138゚Wでオリュムプス・モンス邊りやアルバ邊りに明斑を認めている(オリュムプス・モンスで上午10時LMT)。Nj氏も20June(157゚Ls)ω=142゚W〜172゚Wまで似たような明斑を追っている。 21June(158゚Ls)ω=153゚Wにも紀録がある。Mnの觀測でも、20、21、22Juneはテムペ、アルバからオリュムプス・モンスに掛けての腕状の明帯が見えていた。Iw氏は然し20Juneω=157゚Wでオリュムプス・モンスらしきものも見ていない。Hg氏の映像では24June(160゚Ls)ω=138゚W等でテムペ、アルバなどの腕は明確である。ω=148゚Wではタルシスが午後端で濃くなる。25June(160゚Ls)のω=131゚W、141゚Wでもテムペは白い。
♂・・・・・・・ エリュシウム :
エリュシウムとケブレニアがY字形の明部をなすことは、Id氏の17June(156゚Ls)ω=209゚Wで明確だが、Hg氏の像では同日ω=220゚Wで最もハッキリ出ている。但し、エリュシウムはケブレニアほど白く無いようである。地肌に近いか。なお、Hg氏の17June(156゚Ls)ω=191゚Wなどにはエリュシウムの西南、缺際近くに白い朝霧が出ていて目立つ。福井では21June(158゚Ls)ω=187゚W等で觀測しているが、20、21、22Juneではω=150゚W邊りから見えて始めているようである。
♂・・・・・・・ ケブレニア:
Id氏は16June(155゚Ls)ω=233゚W、246゚W、17June(156゚Ls)ω=209゚W、231゚W等でケブレニアの東西帯に、ウトピアからギュンデスの南に沿って明るい霧状のものを見ているようだが、17June(156゚Ls)のHg氏のヴィデオ像にはB光でこの白霧の帯が明るく明確に冩っている。以前の像がどうか、比較してみないといけないが、今回は顕著である。ケブレニアが朝方に入ってくる時の朝霧の様子は福井では20June(157゚Ls)ω=138゚W以降觀測しているが、24June(160゚Ls)にはId氏もω=142゚W以降注意している。
♂・・・・・・・ プレグラ:
16,17June(156゚Ls)のId氏の觀測ではケルベルスからプレグラにかけての暗帯が大きく灣曲して顕著である。DPk氏の 6July
(166゚Ls)ω=228゚Wや7July(166゚Ls)ω=212゚W等ではプレグラが赤色光でも緑色光でも濃く太い。珍しい異様さである。
♂・・・・・・・ サイクロン?:
Id氏は29June(162゚Ls)ω=066゚W、075゚W、085゚W、095゚Wでバルティアの朝霧を追っているが、然程中に入ってこない(對照的に北極冠は燻んでいる)。Id氏は4July(165゚Ls)ω=021゚W、033゚Wに今度はマレ・アキダリウムの直ぐ北に大きな白雲玉を觀測している。これはHg氏の同日のω=021゚W、031゚W、041゚W、051゚W、061゚Wの聨續像で明確で、圓く明るく中に入ってきている(Hg氏の今年のハイライト・ヴィデオには此の4Julyを必ず入れていただいて、同人諸氏は鑑賞して欲しい)。マレ・アキダリウムの北部を少し侵しているように思う。ω=041゚W以降はテムペが別に朝霧のやや暈けた明斑。尚、北極冠部は別に見えている。Id氏は5Julyにも同じ角度で同じように見えている。筆者は8July(167゚Ls)ω=333゚Wで朝方のマレ・アキダリウム北部が明るい朝霧に覆われているのを觀察、ω=342゚W、352゚W、002゚W、012゚W、024゚Wと追った。ω=002゚Wからは中に大きな白斑が円盤内に入って來た。マレ・アキダリウムの北部が大きく覆われている。7Julyのω=012゚Wでは見られなかったものだが、9Julyにはシーイングが劣化して追跡できなかった(但し、弱い形ながら存在したようではある。尚、既に觀測時間が短くなっており、日を追って調べることは困難になっている)。
♂・・・・・・・ 追加報告:
本編では必ずしも全ての觀測を列擧しないわけだから、追加報告についても特に重要もしくはコメントが必要と思われるもの以外は取り扱わない。
Is氏の最接近時の白黒写真はB390によるB光(ネオパン400プレスト)が好く參考になりそう。15Apr(124゚Ls)ω=054゚WにはEBMが出ているかも知れない。20Apr(127゚Ls)ω=029゚Wも然り。30Apr(132゚Ls)ω=278゚WのB光はヘッラスが明るく、北極冠、エリュシウムも出ている。17May(140゚Ls)ω=130゚WのB光は特に興味深い。アルバからオリュムプス・モンスへの明帯の腕が出ている(#219p2534の第一圖)。カラーでは1June(148゚Ls)ω=338゚Wは北極冠が明確に出ているが、南極雲は弱い。シヌス・サバエウスなど暗色模様も肉乗りが無い。この角度では29、30Mayが欲しかった(#219第二圖)。
前回、迂闊にもDPk氏の4June(149゚Ls)ω=186゚WのCCD像をリストアップし忘れた。これはプロポンティスT中心の良像で、プレグラの濃化も出ている。リマ・ボレアリスがR光では實に濃く出ているが、北極冠には明るさがない。南極雲は二つ玉でパエトンティス上のものはR光でも地が明るい。
JWr氏の今回のスケッチは141゚Lsから151゚Ls迄であるが、全てに北極冠が明確である。30May(147゚Ls) ω=121゚Wでは朝方にオリュムピアが見えている。
MWs氏は21May(142゚Ls)ω=282゚Wで夕方のオリュムピアを検出している。