98/99 report #15

1998/99 CMO Mars Report #15

1999年7月後半・八月前半(16 July 〜 15 August)の火星面觀測


『火星通信』同人・南 政 次 (Mn)
♂・・・・・・・今回は16 July 1999 (171゚Ls)から15 August 1999 (188゚Ls)までの一ヶ月間の觀測を扱う。最早、視赤緯が19゚Sまで落ちて、火星はスピカからアンタレスの方に近附き、低く、薄明時の觀測のみがョみである。16 Julyには視直徑δは10.3秒角であったが、15 Augには8.6秒角まで墜ち込んだ。位相角は42゚から44.3゚(最大値)まで増えた。中央緯度φは21゚Nから16゚Nに落ち、北極は向こうに向きつつある。火星の季節は31 Julyに北半球の秋分(180゚Ls)を通過したから、北極は以後終日蔭の中である。

♂・・・・・・・今期『火星通信』へ報告及び追加報告のあった觀測者及び觀測状況は次の通りである:

      AKUTSU, Tomio 阿久津 富夫 (Ak)  栃木・烏山 Karasuyama, Tochigi, Japan
            8 Sets of CCD images (27, 28, 30, 31 July; 2, 3, 8 August 1999)
               f/60×32cm spec equipped with a Teleris 2 

      HIKI, Toshiaki 日岐 敏明 (Hk) 長野・箕輪 Minowa, Nagano, Japan
             5 Drawings (25, 29 July; 4, 8, 11 August 1999)  400×22cm speculum

      ISHADOH, Hiroshi 伊舎堂 弘 (Id) 那覇 Naha, Okinawa, Japan
       15 Drawings (16〜20, 23 July; 6, 9 August 1999)  340, 400×31cm speculum

      IWASAKI, Tohru 岩 崎  徹 (Iw)  北九州 Kitakyushu, Fukuoka, Japan
        11 Drawings (18, 19 July; 9, 11, 12, 14 August 1999)   400×21cm speculum

      MINAMI, Masatsugu 南 政 次 (Mn) 福井 Fukui, Japan
            30 Drawings (16, 21, 24, 25, 26, 31 July; 1, 2, 7 August 1999)  400×20cm refractor* 

      MURAKAMI, Masami 村上 昌己 (Mk)  藤澤 Fujisawa, Kanagawa, Japan
            15 Drawings (20, 26, 31 July; 1〜4, 6, 7, 8, 11 August 1999)  425×20cm speculum

      NAKAJIMA, Takashi 中 島  孝 (Nj)  福井 Fukui, Japan
            34 Drawings (16, 21, 22, 25, 26, 31 July; 1, 2, 3, 6, 7, 8, 12 August 1999) 
                                                            400×20cm refractor*

      NARITA, Hiroshi 成 田  廣 (Nr)  川崎 Kawasaki, Kanagawa, Japan
             8 Drawings  (26 July; 1, 2, 7, 8 August 1999)  400×20cm refractor

      PARKER, Donald C ドナルド・パーカー (DPk)  フロリダ Miami, FL, USA
             5 Sets of CCD Images (21, 24, 27, 28 July 1999) f/55×41cm speculum + Lynxx PC

      TEICHERT, Gerard ジェラール・タイシェルト (GTc) フランス Hattstatt, France
             2 Drawings  (24, 25 July 1999)  330, 310, 280×28cm Schmidt-Cassegrain

      WASIUTA, Myron E  マイロン・ワシュータ (MWs)  ヴァージニア VA, USA
             1 Set of CCD Images (16 July 1999)  f/35×15cm AP refractor+ Lynxx 
             5 Drawings (4, 15, 27, 30 July 1999)  430×15cm F7 AP refractor

                                          * 福井市自然史博物館天文臺 
♂・・・・・・・次のように期間外の追加報告を受けた。
    FALSARELLA, Nelson ネウソン・ファウサレッラ (NFl) ブラジル Sao Jose do Rio Preto - SP, Brasil
       16 Drawings   (19, 21, 22, 25, 28 May; 7, 9, 10, 11, 15, 16, 21, 22, 23, 27 June; 3 July 1999)
                            260, 325×20cm speculum
       38 CCD Images (3, 9, 10, 11, 12, 19, 22 April; 1, 3, 8, 12, 13, 15, 18, 19 May; 21, 24 June 1999)
                            20cm speculum + AVA ASTROVID 400 

♂・・・・・・・・ 天候状況:
 梅雨はMk氏の藤澤では七月23日、福井では24日に明けたが、必ずしも天候恢復を意味しなかった。どういう譯か熱帯低氣壓が次から次と西日本を襲った。北陸はその東側に入り、フェーン現象が毎日のように起こり、高温の南風が吹いて惱まされた。從って、福井では八月に入って假え晴れても極悪シーイングが續き觀測らしいものは殆ど無い。但し、太平洋高氣壓の中心に近い關東は寧ろ八月に入って氣流は安定した由である(Ak氏)。沖縄のId氏は七月後半順調な觀測を續けていたが、月末から八月に掛けて矢張り熱低(+颱風)の頻發で不調であった。何れにしても視直徑が落ちたことに加え、視赤緯が八月初旬南緯17゚より更に南に落ちた爲に、好いシーイングでの觀測の機會が少なくなって來た。薄明觀測が駄目な場合、その日は殆ど駄目である。ただ、今期も全體としては殆ど缺測日が無いのは有り難い。これからも同じく少ない機會を狙っての觀測となる。

♂・・・・・・・ 觀測の概要:
 16 July(171゚Ls)にはヴァージニアでMWs氏が01:44GMTω=128゚Wで撮像していて、プロポンティスTを朝方に冩しているが、日本では例えばId氏は10:50GMTでω=262゚Wで觀測し、朝方のシュルティス・マイヨルを見ている。この日の首里はシーイングが今期最高だった様だが、直ぐ雲が出た由である。まだδ=10.3"で、十分に詳細が見えている。福井でもNj氏とMnがその前後から開始していて、Id氏との共通項として、シュルティス・マイヨルが既に濃いこと、ケブレニアが明帯であること、ヘッラスは明るく見えること(Id氏は3.0と評価)などがある。勿論ノドゥス・アルキュオニウスなど見えている。北極冠に關しては、Id氏は積極的ではないが、Mnはω=264゚W、Nj氏はω=269゚Wで北極冠の部位に光斑を見ている。
 17 July(172゚Ls)にId氏はω=260゚W、272゚W、282゚Wで好い觀測。後者二回で北極冠を感じている。赤道帯霧が淡くシュルティス・マイヨルに先行している。ヘッラスは明るいが、白くはなく褐色がかっているとする。
 18 July(173゚Ls):Iw氏はω=252゚W、262゚Wで北極雲は不定形、南極雲は明るくない。Id氏に依ればω=270゚Wでヘッラスは前日より明るさを落としている。一方ウトピアは前日より濃く、北極域の霧が弱くなっているか、ω=282゚Wでは北極冠の可能性。
 19 July(173゚Ls)のId氏はω=236゚Wでエリダニア方面がヘッラス部より白く明るい。このときシュルティス・マイヨルは出ていない。Iw氏はω=243゚W、252゚W、北極雲の様子が前日と違う由。後者ではシュルティス・マイヨルを縁に見ているが、前日には困難(前日の方がシーイングは好い)。エリュシウムは正午になっても普通の沙漠の様。
 20 July(174゚Ls)にはMk氏が可成りのシーイングでω=216゚W:南端から西側は白いが輝きはない。エリュシウムは西側だけやや明るいのみ。マレ・キムメリウムの北側は赤道帯霧か、朝方は白味。北極雲は2.5の明度で、やや青味を感じる。Id氏はω=253゚W、263゚W:北極雲は不定形、南極雲はヘッラスの南まで覆っているか、ヘッラスは白くない(褐色味)。
 21 July(174゚Ls)にはDPk氏が良像を齎らしている。01:35GMTω=078゚W、R光にはヒュペルボレウス・ラクスに縁取られた北極冠の形とカスマ・ボレアレが出ている。B光・カラーではバルティアに朝霧が擴がる。オピルはB光で冩っているためカラーでは白い。良像で、オクシア・パルスがリム近くに綺麗に殘っている。ソリス・ラクスは濃く、南極雲はその南まで來ている。タルシス三山が極朝方で暗斑。福井は10:00GMTω=202゚Wから。北極域は可成り白く、南極雲は大きく鈍く明るい。アエテリアの暗斑は顕著で褐色系。エリュシウムとケブレニアはY字形明部。Nj氏はGフィルターで午後端が明るい。
 22 July(204゚Ls)ω=204゚WでNj氏はエリュシウムの後方縁に朝霧。
 23 July(175゚Ls)にはId氏がω=210゚W、224゚Wで觀測、南極冠は明るいが未だ鈍い。前者ではプロポンティスT明確。北極雲はシッカリとして圓形。
 24 July(176゚Ls)、DPk氏はω=039゚W(00:51GMT)、051゚Wで良像:Rではシヌス・メリディアニが完璧に出ているが、Bではリム・ヘーズが濃くカラーでは夕方半分が消えている。テムペからマレ・アキダリウムに掛けて朝霧。オレステス擴張が明確。デウテロニルスが好く見える。福井は10:00GMTω=173゚Wから。北極雲は小さいが明白。南極雲は強力で、マレ・シレヌム、マレ・キムメリウムとの對照が好い。フランスのGTc氏は20:10GMTω=321゚Wでシュルティス・マイヨルが午後。ヘッラス?白い。
 25 July(176゚Ls)も福井は10:00GMTω=163゚Wから。南極雲は明白で、ω=173゚Wでは白く輝く時もあるので、南極冠と判断する(ω=193゚WではO56でも明るい)。北極雲は小さめで、核がある。Hk氏はω=188゚W。GTc氏は19:55GMTω=302゚W。
 26 July(177゚Ls):福井はω=154゚Wから。シーイング悪し。Mk氏はω=163゚W、南西端は明度3。北端は2。
 27 July(177゚Ls)にはMWs氏が01:20GMTω=018゚Wでスケッチ、北極雲が顕著で、南極雲もチェック。シヌス・サバエウスが午後でマレ・アキダリウムが朝方の風景だが、DPk氏がω=018゚W〜032゚Wで撮像している。暗色模様は好く出ている。マレ・アキダリウムの西北部に大きな朝霧、南極雲の明るさは然程ではないが、大きい。日本ではAk氏がω=142゚WでCCD撮像。
 28 July(178゚Ls):DPk氏は01:22GMTでω=008゚W、北極域に大きな淡く鈍い白霧(ウトピアの西の尾は出ている)、Bでは強くなく、北極冠も見えるかというところ。尚、01:19GMTω=007゚WのR像には南極冠が出ている模様である。ω=011゚Wでもシュルティス・マイヨルが殘っている(δは9.5"の間違い)。日本ではAk氏が10:04GMTでω=136゚W、タルシス明るい。
 29 July(179゚Ls)にはHk氏がω=144゚Wでスケッチ。南北端共に確認出來ない(シーイング 2/5)。
 30 July(179゚Ls)、MWs氏が01:00GMTω=344゚Wでスケッチ、シュルティス・マイヨルが顕著、北極雲は各フィルターで見えるが、南極雲は見えない。Ak氏がω=116゚W、ソリス・ラクスが午後へ。
 31 July(180゚Ls):福井では9:50GMTω=103゚Wから(だが、これ以後好いシーイングが得られない):ソリス・ラクスは明確、南極冠は然程明るくないが、境界は明白。北極雲も圓く白い。北極域朝方に霧。Ak氏はω=105゚Wで撮像、良像である。ソリス・ラクス、ニロケラス、マレ・アキダリウムを描冩、クサンテ明るい。北極雲、北極雲共にBで濃い。Mk氏はω=108゚W、118゚W、前者ではソリス・ラクスが可成りリム近くだが、未だ10:20LMT(ι=44゚)。この日δ=9.4"。

 31 Julyに180゚Lsになったから、もう南極冠は出現している筈(後述)で、八月初旬は重要な時期に當たった。ただ、視直徑が墜ちてきている。以下、南極冠に力點を置いて觀測者別にレヴューする。
 八月に入って、太平洋高氣壓下のAk氏は好い像を得ている。ただ、南極冠は難しい。2 Aug(181゚Ls)はω=091゚Wにはソリス・ラクス等。ただ、カラーバランスは好くない。3 Aug(181゚Ls)ω=078゚W、マレ・アキダリウムが殘っている。Bでは南極雲は好く出ていない。8 Aug(184゚Ls)にはω=026゚W、039゚W:南極雲(南極冠)は少し濃く出ているが、北極雲の方が強い。δ=8.9"であるが、シヌス・メリディアニは分離している。
 Hk氏は4 Aug(182゚Ls)ω=077゚W、北極雲見え、南端も白い。8 Aug(184゚Ls)はω=031゚W(10:10GMT)、北極雲は朝方に迫り上がる。南極冠は見えているようである。11 Aug(186゚Ls)にはω=002゚W、北極雲は朝方でマレ・アキダリウムを侵すか。
 Id氏は6 Aug(183゚Ls)(颱風7號の後)はω=068゚W:アルギュレに南極雲もしくは南極冠。リムライト。北極雲は圓形でしっかりしている。ソリス・ラクスは未だ弱い。ニロケラスなど正常。9 Aug(185゚Ls)ω=039゚W、058゚Wでは透明度は好くないが、二度とも北極域に明斑、南極冠もアルギュレ邊りでやや明るく見え、午後リムも明るい。マレ・アキダリウムの朝方には霧か。
 Iw氏は9 Aug(185゚Ls)から活動、14 Aug(188゚Ls)迄で10:50GMT開始。南極冠は見ていないが、暗色模様はどれもそれらしく出ていて、最接近時より觀測のヴォルテージが上がっている。これぐらいaggressiveにシーズン中もやって欲しかった。11 Aug(186゚Ls)ω=012゚W、022゚Wでマルガリティフェル・シヌスからマレ・エリュトゥラエウムに掛けて隙間が見られる。季節は10 July 1922(187゚Ls)にE.C.スライファーがマルガリティフェル・シヌスに黄塵を検出した時季にピッタリである。この時は四日間持續した。Iw氏の12 Augω=012゚Wにも出ているかも知れない。ただ、Hk氏や後述のNj氏の追撃がないのが殘念。もう一つIw氏のマルガリティフェル・シヌスの形は悪しき前例を思い出させる。14 Aug(188゚Ls)ω=343゚Wでヘッラスを縁で捉えるが、白さ・明るさは北極雲の比でない。
 Mk氏は1 Aug(180゚Ls)ω=106゚Wで赤道帯に帯状霧を見ているが、そろそろ季節は終わりであろう。シーイングは8 Aug(184゚Ls)ω=031゚W、041゚Wが中の上で、マレ・アキダリウムが褐色系、北部に濃度。シヌス・メリディアニ分離、北極雲は東に傾いている。南極雲の觀測は不好。
 Nj氏はフェーン現象の温氣に惱まされながら精勤だが、12 Augまで殆ど徒勞、12 Aug(186゚Ls)はω=353゚W、002゚W、012゚Wの觀測で、シーイング中程度。北極冠の部位に明斑を見ている(Gフィルターでも)。南極冠は特に明るくない。ω=002゚Wまでシュルティス・マイヨルが見えている。デウテロニルス明確。マルガリティフェル・シヌスについてはIw氏のようなNoteがない。
 筆者(Mn)のこの時期の觀測も意味がないが、1 Aug(181゚Ls)、2 Aug(181゚Ls)には南極冠の縁が出ていると判断している。
 Nr氏は觀測のポイントを掴んでいない。

♂・・・・・・・ 30 June再論:
10 Augustに次のWeb-Siteで、30 JuneにMGS發現の北極冠縁に發生した黄塵の像が公表された:
http://mpfwww.jpl.nasa.gov/mgs/msss/camera/images/8_10_99_releases/moc2_172/index.html

 發表された黄塵の像は、同日06:52、08:50、10:47、12:45GMTに撮られたもので、まるで北極冠から噴き出したように極冠縁を巡り、ヒュペルボレウス・ラクスを隠さん許りである。黄塵は波打っていて新しい感じがする。但し、輝きは然程ではない。二時間での動きはマクロには鈍い。北極冠はカスマ・ボレアレと共に見えており、更に白霧が漂っている。日本からは09:00GMTでは無理であったが、10:00GMT以降は時間的には觀測可能な位置にあった。但し、ディメンションは小さい。
 30 June (163゚Ls)の主な觀測者としてはId氏、Iw氏、Mk氏が擧げられ、10:40GMT(ω=054゚W、Mk)、11:30GMT(ω=063゚W、Iw)、12:10GMT(ω=073゚W、Iw)、12:30GMT(ω=078゚W、Mk)、12:50GMT(ω=083゚W、Iw)、13:10GMT(ω=088゚W、Id)、14:00GMT(ω=100゚W、Id)と觀測が行われているが、何れにも黄塵の意識がない。Id氏は惜しいことに時間的に少し遅れていて、カスマ・ボレアレの方向を考慮すると、黄塵の位置は相當夕方に來ている。Id氏は「北極雲は淡く大きく擴がっている」という程度のコメントで、局所的な黄塵の輝きは見えていないようである。
 この黄塵は1 Julyにも存續したと考えられ、10:10GMT(ω=034゚W、Mn)、11:30GMT(ω=054゚W、Mn)、12:00GMT(ω=061゚W、Id)、12:10GMT(ω=064゚W、Mn)、12:40GMT(ω=071゚W、Id)の觀測で、ヒュペルボレウス・ラクスが検出出來なかったこと、北極域の明部が可成りクッキリしていることで、これは黄雲の影響と思われる。
 2 JulyのId氏の北極雲域は縦長になり二つ玉になっていること(#221p2566,p2569參照)は黄塵の發展したという可能性がある。更に同箇處に報告したId氏とHg氏による4 July (165゚Ls)の大きな獨立した明斑は更に發展したものであるかも知れない。更に言えば、Id氏が29 June (162゚Ls)に觀測した獨立した朝霧(サイクロン)が30 Juneの現象の切っ掛けであった可能性もある。これらのことについては別の機會に考察出來ればと思っている。

♂・・・・・・・ 180゚Lsを越えて:
 秋分180゚Lsを越えて、既に南極冠は極對稱の形で出現しているのであるから、注意する。以後sub-solar點も南半球に移る。1986年の紀録では、170゚Ls以降南極冠は好く見えており、筆者(Mn)の臺北での24 May 1986 (176゚Ls)での觀測では既に内部に翳りや明點が見られている(周邊部が寧ろ明るい)。1 June 1986 (180゚Ls)以降は恒常的に極冠の中心部(像では縁)に翳りが觀察された(當時はφ=10゚S。1998年にはこの時季視直徑は未だ小さいが、φ=23゚Sで、208゚Ls (3 June 1988)には内部に龜裂が見られる)。最大雪線は55゚S邊りであるから、1 Aug 1999 (180゚Ls)現在でも原理上周邊部は見られるのである(#216p2494のNs氏の經緯度圖參照)。1977年のヴァイキングは南極冠を176゚Lsから觀測していて、176.4゚Lsの南極冠は55゚Sを喰み出している(この時は周邊部060゚W邊りに黄塵を冩し出した)。ヴァイキングの183゚Lsの南極冠の部分像はCMO#7p47に模冩してあるので見られたい。

今年MGSが南極冠を冩し、それが以下のWeb-siteに掲載されている:
http://mpfwww.jpl.nasa.gov/mgs/msss/camera/images/8_2_99_spring/index.html

ヴァイキングの最初の像と同じ頃と思われるが、アルシア・モンスの南方の南極冠の縁が綺麗に出ている。
♂・・・・・・・ 追加報告:
 NFl氏のスケッチは判で押したような像の聨續で、Notesも殆ど無いから、コメントのしようもない。どこかのRecorder(Coordenacao)で仰々しい形式ではあるのだが、穴だらけである。LtEに採録されている主張も可笑しいので注意。CCD像も好く出ているのだが、ゴーストが目立つ。案外と北極冠が冩っていない。衝前12 Apr (123゚Ls)ω=246゚Wでヘッラス見えている。13 May (138゚Ls)は連續像で、ヘッラスは夕端ω=348゚W(0:56GMT)で見えるが、ω=356゚Wでは殆ど見えない。尚、前者で北極冠の南に極冠より顕著な明斑が見られ、中央子午線近くだから好いが、似たようなゴーストは多いから一枚像では何とも言えない。同日四時間後にDPk氏の像があるが、夕端にそれらしいものはない。NFl氏のサイトは(48゚23'W、20゚49'S)で、標高468mの由。
 MWs氏は4 July (164゚Ls)にω=246゚W、265゚Wで觀測、南極雲が北極雲より顕著。


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