98/99 report #22

1998/99 CMO Mars Report #22

2000年二月後半・三月前半(16 Feb 〜 15 Mar )の火星面觀測


『火星通信』同人・南 政 次 (Mn)
♂・・・・・・多分三月で觀測も終焉する。視赤緯は三月中旬9゚Nまで上ったが、太陽に近附いて薄明中でも西に低い。16 Feb 2000には視直徑δは4.5秒角であったが、15 Mar 2000には4.2秒であった。季節はこの間302゚Lsから318゚Lsに伸びている。1975年のソリス・ラクス周邊の黄雲の季節である上、1998年にも309゚Ls(17Apr)でクリュセのヴァイキング1號の着陸點でMGSが黄塵を見附けているから、依然重要な季節なのであるが、視直徑が小さく、その上低空の爲に氣流の状態が悪く、細かい觀測は無理である。
 中央緯度φは26゚Sから23゚Sまで落ちてきた。位相角ιも25゚から19゚へ落ちた。

♂・・・・・・今回は二月後半の觀測はアメリカ側、三月前半が日本となっている。二月後半は天候が冴えなかったが、沖縄は二月は日照時間が32.6時間とか、三月に入っても優れず、Id氏の觀測は適わなかった。Mk氏も何度か觀測を試みたが、スケッチに到らなかった。


     MELILLO, Frank J  フランク・メリッロ (FMl)  紐約 Holtsville, NY, USA
            1 Set of CCD Images (21 February 2000)    20cm SC  Starlight Xpress MX-5

     MINAMI, Masatsugu 南 政 次 (Mn) 福井 Fukui, Japan
            8 Drawings (1, 2, 3, 5, 10, 12, 13, 14 March 2000)  340, 400×20cm refractor*

     MORITA, Yukio 森田 行雄 (Mo)  廿日市 Hatsuka-ichi, Hiroshima Japan
            2 CCD Images (20, 27 February 2000)   f/50×25cm spec equipped with an ST-5C

     NAKAJIMA, Takashi 中 島  孝 (Nj)  福井 Fukui, Japan
            6 Drawings (1, 3, 5, 13 March 2000)  340, 400×20cm refractor*

     PARKER, Donald C ドナルド・パーカー (DPk)  佛羅里達 Miami, FL, USA
            7 Sets of CCD Images   (30/31 January; 11/12, 12/13, 19/20, 27/28, 
                                    28/29 February; 29 February/1 March 2000)  
                                          f/55×41cm spec equipped with a Lynxx PC

                                          * 福井市自然史博物館天文臺 
♂・・・・・・・・唐那・派克氏の追加報告:
 DPk氏のフロリダでは夕方がGMTの真夜中になる。30/31 Jan (293゚Ls) ω=313゚Wではシュルティス・マイヨルが明確で、シヌス・サバエウスの東部もマレ・セルペンティスと一緒に濃い。ヘッラスはRではやや明るいが、Gでは暗い。
 11/12 Feb (300゚Ls)ω=198゚Wではマレ・シレヌムからマレ・キムメリウムが暗帯、南にはマレ・クロニウムが奔っている。
 12/13 Feb (301゚Ls)ω=185゚Wも同じ様。Bは全體に明るい。先の結論のように、大域的な黄雲は見られない。

♂・・・・・・・今回の觀測:
 DPk氏が19/20 Feb (305゚Ls)ω=116゚Wで撮像、南極域が大きく明るく、ソリス・ラクスとマレ・シレヌムが窺える。アマゾニスが赤い。RはRG610だが、GとBは光映舎(以前評判の悪かったところ)のバンドパス・フィルターを使っている。
 日本ではMo氏が20 Feb (305゚Ls)ω=256゚Wで撮像、シュルティス・マイヨルが見えるかというところだが、安定性がない。
 FMl氏は21 Feb (305゚Ls)にω=083゚W邊りの像(Wr#25)、マレ・シレヌムが見えるが、像は小さい。
 Mo氏が27 Feb (325゚Ls)ω=187゚W:暗色模様はあるようだが、安定しない。
 DPk氏:28/29 Feb (310゚Ls)ω=025゚W、マルガリティフェル・シヌス以南は濃く、シヌス・サバエウスが分離している。
 29 Feb/1 Mar (311゚Ls)にはω=016゚W、南半球は暗く、矢張りシヌス・サバエウスが分離している。南半球には、この角度からは黄雲の影響はないように見える。

 福井では1 Mar (311゚Ls)はω=146゚W (8:50GMT、Mn)、ω=151゚W (Nj氏)等、南極冠は白くスポットの様に見え、マレ・シレヌムは濃い。北半球には午後端に明部がある。
 2 Mar (311゚Ls)ω=136゚W等、南極冠のコアは見え、マレ・シレヌムが濃い。北端は明るい。
 3 Mar(312゚Ls)はω=131゚W(Mn)、ω=136゚W(Nj氏)等、ソリス・ラクスの片鱗は未だ。タルシスが明るい。
 5 Mar (313゚Ls)はω=106゚W(Mn)、ω=111゚W(Nj氏)等、ソリス・ラクスからシレヌムに掛けて暗く、黄雲は見られない。南極域は明るい。
 10 Mar (316゚Ls)ω=062゚W;アウロラエ・シヌスの邊りから南半球全體が暗く、明部はない。但し、南極域は明るい。ニリアクス・ラクスが見えるか。
 12 Mar (317゚Ls)ω=042゚W;南極冠は白く、南半球は充分暗い。
 13 Mar (317゚Ls)ω=029゚W(Mn)、ω=034゚W(Nj氏)、午後端のノアキスが明るい。シヌス・サバエウスは分離され、アウロラエ・シヌスまでは暗い。
 14 Mar (318゚Ls)ω=022゚W、端のノアキスが前日より明るい。北半球東北端も明るい。

 この期間、福井の夕方のドーム内は、3℃から6℃というところであった。

♂・・・・・・比嘉保信(Hg)氏から1999年の火星のVideo映像を纏めたテープが送られてきた。
 畫像も興味のある編集で、BGMのTingara (Oneness Music Inc; OMC-2002)の「夜間飛行」で始まるところは壓巻である。他にもTingaraの沖縄民謡もゆっくりと流れるから、まるで沖縄の空に赤い火星が浮かんで揺れているような錯覚をする。
 ご希望の方にはコピー送付をお願い出來るので、直接Hg氏かMn宛てにご連絡下さい(數が少ない場合は、纏めてCMOで實費を負担します)。Hg (FAX:098-862-3975)
 Tingara Web-Site: http://www.tingara.com


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