98/99 report #24

1998/99 CMO Mars Report #24

追加報告


『火星通信』同人・南 政 次 (Mn)

♂・・・・・・・ LtEでお分かりのように、英國のピーチPEACH氏から奥地利(オーストリア)のシュルツSCHULZ(RSz)氏の畫像が届いた:多分抽出であろうが、衝後の影像だけで、それも極く夕方の觀測だけであるが、標準的なCCDであって、(好くない意味で)典型が見られるので、採り上げる。RSz氏は、1984年以來火星は見ている様である。本場ウィーンの古典音楽愛好家だそうである。

     SCHULZ, Robert ロベルト・シュルツ(RSz) ヴィーン Wien, Österreich
            7 CCD Images (25 May; 3 , 9, 14, 23 June; 3 July 1999) 20cm SCT equipped with ST7

 赤色(R)はフィルターWr25、青色(B)はW47を使用しているが、B像が悪く、カラーに變換しても極雲などの描冩が足りない。ST7のチップ(多分KAF400EでなくKAF400程度)は青色光には向いていない譯である。赤色光像は標準である。

 25May(144゚Ls)は最接近時で20:20GMTであるから未だ夕方であろう。ω=174゚W。Rは0.2秒露出(Bは2秒)。プロポンティスTから東の暗點の繋がりが描写される。北極冠は明白でない。
 3June(149゚Ls)はω=085゚W、暗色模様は好く出ている。Rで北極冠は出ないが、オピルとテムペは明るい。
 9June(152゚Ls)はω=026゚W、オキシア・パルスが大きく描冩され、オレステス延長(#214など)も見えている。

 14June(154゚Ls)はω=328゚W、ω=342゚Wの二葉で、両方とも午後にシュルティス・マイヨルが濃く、ボレオシュルティスも仄かに描冩されている。シヌス・サバエウスも明確で、後者ではシヌス・メリディアニも充分内部に入って來ている。マレ・アキダリウムも西縁に見える。B像が悪く南極雲やヘッラスの様子が不確か。この日にはアメリカ側でDPk氏のこんもりとした南極雲の像があって、前號#230p2717に引用した。比較すると、雲泥の差である。
 23June(159゚Ls)はω=246゚W及び3July(164゚Ls)ω=086゚WはSBIGのフィルターを使っている。向上は見られない。アエテリアの暗斑がやっと出る程度。

 青色光像はカラー像に色を着ける爲のものではない。火星觀測に於いては白色霧や雲の検出に欠かせない影像であって、正確に青色光でなければならない。


Back to Top Page