Ten Years Ago (213)

 

---- CMO #268 (25 January 2003) pp3511~3534 ----

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/cmo268/index.htm


 ップページには新年の挨拶と、OAA火星課発議で翌2004年五月に能登の穴水町で開催される予定の「火星/ローヱル会議」の案内が掲載されている。穴水の会場提供に関しては金沢工業大学の黒田壽二学園長・総長のご協力があり、そのほか内輪としてOAA歴史課のほか日本ローヱル協会、富山八雲会の協力があげられている。また、シーハン氏の参加も紹介されている。

 

Image268.jpg Reportは三回目となり、2002年十二月後半と2003年一月前半の観測報告が取り上げられている。この期間に季節はλ=109Lsから123Lsに進んで、視直径はまだ小さいがδ=4.3"から4.9"と少し大きくなった。傾きはφ=18Nから10Nに浅くなっていて、位相角はι=25から31と欠けが大きくなった。

 観測報告は国内で五名、外国から二名であった。テネリフェのピーチ氏(DPc)は視直径の小ささにも負けず可成りの画像を撮しているが、LRGB合成画像とIR画像が主で、B光画像は少なかった。国内では冬場のシーイングの悪さもあるが、まずまずの結果だった。森田氏(Mo)CCD画像にも主要な状況は捉えられている。年明けから沖縄の伊舎堂氏が観測を開始した。

 

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/2003repo/03/03j.html

 

  2001Mars CMO Note (15) "Precursory Phenomena Leading to the Early Rise of the 2001 Yellow Cloud" 2001年黄雲の早期發生を促した南極冠附近での現象」 で、それまでの常識を覆すλ=184Lsという早い時期に発生した2001年の大黄雲に関して、ここでは発生以前の黄雲に関係ありそうな現象を水蒸気をキーワードにMn氏が検証している。一つ目にはMGSλ=143Lsに観察したヘッラス周辺二カ所の局所黄塵、二つ目はλ=162Lsあたりでのヘッラス南部と南極雲の相互作用、第三にはλ=176Lsでパーカー氏(DPk)により撮影されたG光像に現れた、ヘッラス南部からマレ・テュッレヌムに流れ出た太い雲帯である。これらの現象が南極冠周辺の水蒸気量を早期に増加させ、局所黄塵で不透明になった大気が気温の上昇にも関わって、異常に早い時期の大黄雲の発生を引き起こしたのではないかと推論している。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/268Note15/indexj.html

 

 Great 2003 Mars Coming (7)には "Watch the Inside of the South Polar Cap"「南極冠の内部を觀察せよ」と題して、Mn氏が南極冠の観測に傾きが有利な2003年の接近時の観測の方向を示している。南半球春分のλ=180Lsが南極雲から南極冠が出現する目安だが、それ以前から注目する必要があるとする。λ=180Lsを過ぎると南極は白夜になり、南極冠中央から融解が進み陰りが見え始める。λ=220Lsを過ぎてからは極冠内には亀裂・暗条が常時見えているようになり、その方向や形状を正確に把握するのが大切であるとする。以後、λ=230Lsあたりから融解が不均一になり南極冠の偏芯が始まる時期になるが、亀裂と不斉融解の関連を突き止める必要がある為だとしている。特に注目が必要なのは南極冠内の輝点である、λ=227Lsでノウュス・モンスが分離前に極冠内に観察されている例を採り上げている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/coming2003/07j.html

 

 LtE は国外からはBill SHEEHAN (MN, the USA), David STRAUSS (MI, the USA), Mario FRASSATI (Italy), Nicolas BIVER (France), 章獻(Taiwan), Dave MOORE (AZ, the USA), Don PARKER (FL, the USA), Damian PEACH (the UK, at Tenerife), Randy TATUM (MN, the USA), Sam WHITBY (VA, the USA), Tom DOBBINS (OH, the USA), Ed GRAFTON (TX, the USA)の諸氏、国内からは湧川哲雄(沖縄)、村山定男(東京)、中島守正(横浜)、森田行雄(広島)、藪 保男(滋賀)、渡部潤一(東京)、伊舎堂弘(沖縄)、日岐敏明(長野)

の諸氏からのものが、新年の挨拶を含めて掲載されている。

 

 筆者(Mk)の「新・歳時記村(8)」は「富士暮色」と題して、自宅近くから西に見える富士山の夕暮れの画像を添付して富士山にまつわる思い出などを披瀝している。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/mura8/268mura_8.htm

 

 TYA#089は日岐敏明(Hk)氏による。内容はCMO#127(10Jan1993)CMO#128(25Jan1993)の紹介である。20年前の火星は8Janに「衝」をふたご座でむかえ、最大視直径δ=14.9"に達していた。この期間に季節はλ=012Lsからλ=026Lsに推移した。観測は北半球の観測が中心だった。1992/93 CMO Note (4) として「第二回OAA一斉合同観測の総括」が取り上げられている。1993 Jan 2~4に実施された一斉観測の状況がまとめられている。COMING 1992-93 Mars(4)は「5cm経緯度図: φによる変化」で西田氏のφを1度ずつ変化させたグリッド図が掲載された。CMO#128には、Mn氏の「K稿」(3)「菫色層とは何だ?(否定的)があり下記のURLで再読できる。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/268tya89.html

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn1/Zure7.htm 「菫色層とは何だ?」 

 

                                          村上 昌己 (Mk)


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