Ten Years Ago (212)

 

---- CMO #267 (25 December 2002) pp3683~3510 ----

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/cmo267/index.htm


 

回目となるCMO 2003 Great Mars Reportは、2002年十一月後半と十二月前半の報告がまとめられている。この期間に季節はλ=096Lsから109Lsに進み、視直径はδ=3.9"から4.3"になった。中央緯度はφ=23Nから18Nと傾きは浅くなってきた。位相角はι=19から25と欠けが少し大きくなった。観測者は森田氏(Mo)の参加があり国内二名、外国二名となった。火星はこのとき朝方のおとめ座にあり金星と並んでいた。マリオ・フラッサチ氏(MFr)は日の出後に金星から導入しての観測であった。デミアン・ピーチ氏(DPc)はカナリー諸島テネリフェでの観測。南氏(Mn)は福井で早朝に三回ほど観測をしている。福井は天候が優れなかったとの記述がある。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/2003repo/02/02j.html

 

続けて2001 Mars CMO Note (14) "Atmospheric Pressure and the Yellow Storm" 「氣壓と大黄雲の關係、そして大黄雲に無関係なヘッラス」が掲載されている。 気温の上昇と水蒸気の存在が黄塵が大黄雲に発展する条件とされているが、ここでは気圧の問題も取り上げて考察している。黄塵を上空に吹き上げ蓄積させる上昇気流を生じる低気圧の発生が黄雲の発達には必要であるとして、朝方の気温の違いによる寒冷前線面での上昇気流の急激な発生が、黄塵を上空にまで運ぶ原因となっていることを指摘している。深い盆地であるヘッラスやアルギュレの内部は高気圧となり、黄塵は発生しても上空に達せず大規模な黄雲には発達しないであろうとしている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/267Note14/indexj.html

 

Great 2003 Mars Coming (5) として"New Definition of Mars's Flattening" The Astronomical Almanac for the Year 2003 の火星項について」が取り上げられている。2003年版のThe Astronomical Almanacから多くの要素が変更になり、火星については平均赤道半径が詳しくなり、また幾何扁平率が南北の半球で別の値が与えられるようになっている。また、恒星時での自転周期も改訂があり、小さな値であるが、火星面中央緯度φと火星面中央経度ωに影響があり、2002年とは数値が不連続となっている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/coming2003/05j.html

 

Great 2003 Mars Coming (6)では"Ephemeris for the Observation of the 2003 Mars. II" 2003年の火星観測暦表 (その2)」として、2003年一月から三月までの観測暦表が掲載された(西田昭徳氏)

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/coming2003/06j.html

 LtE には外国から Ed GRAFTON (TX, the USA), John W McANALLY (ALPO Jupiter Section, the USA), Don PARKER (FL, the USA), Damian PEACH (the UK), Mario FRASSATI (Italy), Clay SHERROD (AR, the USA), Mike MATTEI (NY, the USA), Brian COLVILLE (Canada), Bill SHEEHAN (MN, the USA), Tom DOBBINS (OH, the USA), Elisabeth SIEGEL (Denmark), Eric NG (Hong Kong), Carlos E HERNANDEZ (FL, the USA), Gianni QUARRA (Italy), 武揚(Taiwan), Sam WHITBY (VA, the USA), David STRAUSS (MI, the USA)の多くの諸氏からと、Season's GreetingDaniel M TROIANI (IL, the USA), Richard and Micahela McKIM (the UK), David GRAY (the UK), Alan and Joan HEATH (the UK), Randy TATUM (MN, the USA), Jeff and June BEISH (Fl, the USA), Bill SHEEHAN (MN, the USA) の各氏から送られてきている。DOBBINS氏のお便りには若き日のドン・パーカー氏の画像が添付されていて大きく取り上げられている。

 国内からは、高成玲子(富山)、宮崎勲(バンコク、タイ)、日岐敏明(長野)、森田行雄(広島)、伊舎堂弘(沖縄)の各氏からお便りがあった。

 

 コラム記事は筆者の「新・歳時記村(7)、大雪・冬至」があり、二十四節季について説明し、師走の横浜の自宅あたりの風情を紹介している。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/mura7/267mura_7.htm

 

 巻末には南氏の筆の「時時間間」"18/365"がある。様々なもので成果が上がるのは全体の5パーセントほどの確率で、1年のうちで佳い観測条件に恵まれるのは18日程度であろうとしてタイトルの数字の意味となる。毎日観測してもこの数字だから怠りなく観測を継続せよとの叱咤であろう。

 

 日岐敏明氏によるTYA(88)は、20年前のCMO#125(10 Dec 1992)CMO#126(25 Dec 1992)からで、それぞれ1992年十一月後半と十二月前半の報告がまとめられている。視直径はδ=12"ほどになっていて、季節は21Nov1992λ=000Lsとなり、北極雲と垣間見えるダーク・フリンジの追跡が主眼であった。2123Novに計画・実施された一斉合同観測の総括もされている。両号ともに南氏の『夜毎餘言』が「水無河と水のない海」と、「非本分派-待望の一月3日夢の対決」と題して掲載されている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/267tya88.html

                                          村上 昌己 (Mk)


日本語版ファサードに戻る / 『火星通信』シリーズ3 の頁に戻る