Kwasan and Hida Observatories, Graduate School of Schience, Kyoto University Home page

第4回 花山天文台 野外コンサート
「古事記と宇宙」映像ライブの御報告
(2016年11月6日)

 10月15日(土)夜、世界的な音楽家・喜多郎さんを招いて、第4回花山天文台野外コンサートが開催されました。

 花山天文台は1929年の創設以来、太陽系や太陽観測で世界的な成果を生み出すだけでなく、「アマチュア天文学の聖地」として天文学の教育普及に関しても重要な役割を果たしてきました。しかしながら、近年は建物や望遠鏡の老朽化が進み、昨今の国立大学の予算削減もあり、存続の危機を迎えておりました。このような状況の2013年、花山天文台は京都市の「市民が残したい“京都を彩る建物や庭園”」として選定されました(選定番号 第2−018号)。これは花山天文台にとっては大いなる励みとなり、このことを感謝・記念し、また、花山天文台の危機を知った喜多郎さんも「花山天文台を応援しましょう」ということで、花山天文台の存続を応援することを目的とした天文台野外コンサートが毎年開催されるようになりました。そして、今年で第4回となったものです。

当日は、素晴らしい秋晴れの満月の下、約300人の参加者が、世界初の「古事記と宇宙」映像ライブコンサートを楽しみました。「古事記と宇宙」というのは、喜多郎さんの楽曲「古事記」に合わせて宇宙の様々な映像・画像を同時上映するという映像コンテンツで、柴田一成台長の発案と喜多郎さんとのコラボの下に、花山天文台と京大学術情報メディアセンターとの学内共同研究成果として昨年8月に完成したものです。芸術作品として楽しめるだけでなく、全編を鑑賞すると天文学入門になるように映像や画像が選ばれていますので、教材としても使えます。(一般にもDVD「古事記と宇宙」として販売されています。)今年は、英語版DVDとライブコンサート用バージョンが完成し、本野外コンサートで初めて披露されました。また、野外コンサートには、舞踏家の三上賀代さんも応援に来てくださり、喜多郎さんの演奏に合わせて素晴らしい舞踏を上演してくださいました。

 コンサートの冒頭には、橋本幸三・京都府教育次長(知事代理)、清水稔之・京都市教育企画監(市長代理)が祝辞のご挨拶をしてくださり、また、門川大作市長ご本人もコンサートの最後に超多忙の中かけつけてくださり温かい応援のご挨拶をしてくださいました。最後の最後には、宇宙飛行士の土井隆雄京大特定教授も登場して応援コメントをくださいました。これには、コンサートに招待されていた京都府・京都市の高校生のみなさんは大喜びでした。高校生のみなさんは、元々は喜多郎さんの発案で、ぜひ高校生のみなさんに楽しんでもらいたい、ということで、京都府教育委員会と京都市教育委員会の協力の下で、招待されて来られたものです。

 喜多郎さん、三上賀代さんをはじめとして、野外コンサートを開催するのにご協力いただきました皆様方に深くお礼申し上げたいと思います。

(各写真は、クリックして頂くと拡大されます。)