CMO/ISMO 2024/25 観測レポート#06
2024年八月の火星観測報告
(λ=304°Ls ~ λ=322°Ls)
村上 昌己・西田 昭徳
CMO
#538 (
♂・・・・・・ 今観測期の六回目のレポートは、『火星通信』に寄せられた八月中の火星の画像を元に記述する。火星は八月には順行を続けて、下図のように「おうし座」を進んで木星を追い越していった。木星との最接近は14日の15h22m GMT (黄経合) であった。出は日本では夜半過ぎまで早くなり、月末には夜半前に出てくるようになって、午前3時には30度を越えて昇っている様になっていた。18日のダストイベントの発生もあって、北半球からの観測報告も増えつつある。
季節(λ)はλ=304°Lsから322°Lsまで進み、南半球の夏の 火星面だった。八月も視直径の増加は、δ=5.9”からδ=6.5”で、なかなか大きくならない。傾き(φ)は07°Sから02°Nと、北向きに換わった。南極冠は最終段階になっていて、月初には捉えられていたが、中旬にははっきり確認できなくなってしまった。位相角はι=40°を超えて最大に近づいてきた。大きく夕方の火星面が見えている状態だった。アルシア・モンスの夕方の山岳雲を捉えた画像も出ている。
右図には、この期間の視直径と中央緯度の変化の様子をグラフで示した。赤い実線が今接近の視直径の変化である。黄色くマークされているところが、このレポート期間の様子を示している。傾き・中央緯度(φ)は緑色の点線で示している。
この季節の視直径の大きな時の観測報告は、2020年の接近時にあり、以下のリンクから辿れる。CMO#502には、クリュセで発生したダスト・イベントの記事と画像かある。
* CMO#501 (16 Oct. ~ 31 Oct
2020, λ=297°~307°Ls, δ=22.2~20.1”)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/501/2020repo_12.htm
* CMO#502 (1 Nov.~ 30 Nov.
2020, λ=307°~324°Ls, δ=20.1~14.8”)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/502/2020repo_13.htm
さらに2003年の、同じ季節の観測報告は下記のリンクにあり、視直径が20秒角程の大きな期間での火星面や、縮小した南極冠の様子などが、沖縄へ観測遠征中の南氏の筆により語られている。
2003年火星課レポートのインデックスページは
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/2003repo/index03.html
(ページ中のリンクが右ウインドに開かないときには、右クリックをして ”新しいタブで開く” などで見ることが出来ます。)
* #19 2003年十一月後半の火星面觀測 CMO #284 (λ=299°~308°Ls, δ=12.8~11.2”)
* #20 2003年十二月前半の火星面觀測 CMO #285 (λ=308°~317°Ls, δ=11.1~9.7”)
* #21 2003年十二月後半の火星面觀測 CMO #286 (λ=317°~328°Ls, δ=9.6~8.5”)
#20 CMO #285、#21 CMO #286 には、クリュセで発生したダストイベントの記事がある。その中にある南氏のNoteを以下に引用しておく。この季節に起きるダストイベントの様子の説明である。
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♂・・・・・・ノート: 南半球の夏至はλ=270°Ls、秋分はλ=360°Lsである。夏には氣團は南極から北の方に行き、偏東風が吹くと考えて好い。一方、秋分には赤道の方が暖まり、赤道から南極の方に氣團は動くであろう。そこで、λ=320°Ls邊りは中途半端なのであるが、今回の浮遊ダストの動きを見ると、この季節は秋型に近いようである。從って、最終は南極に集まり、途中東へ流れるのである。但しこれは朝から夕方に掛けての氣團のヴェクトルを意味するだけで、夜は殆ど對流が無いであろう。また氣團は黄雲の動きを指すものではない。黄塵をカタストロフとして起こすような潜在的な條件を保つ氣團である。カタストロフは條件さえあれば、毎日(多分朝)更新するし、共鳴も起こす。カタストロフは從って、連續する場合、東の部分が先陣になるから左の方から議論するが好い。一旦起こったカタストロフは颱風のようには動かない。次の日の條件によっては消滅し、また別の箇所に共鳴する。
なお、秋型であると、氣團は冷やされやすいわけであるから、局所的な黄雲しか醸さないであろうと思う。
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn2/286OAAj/index.htm
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♂・・・・・・ 2024年八月の火星面の様子
○
火星面概況
八月に入って、視直径も少し大きくなり、ウォーカー(GWk)氏のB光画像には、アルシア・モンスの夕方の山岳雲が捉えられた。中央緯度(φ)も北向きになって、北極雲が明るく捉えられ、マレ・アキダリウムにはトーズのスリットが、度々撮影されるようになっている。
季節もλ=300°Lsをすぎて、2020年(312°Ls)・2022年(309°Ls)に次いで、今接近でもクリュセ付近からのダストイベントが発生した。
フォスター氏の18日(314°Ls)の撮影でクリュセからエオス付近に拡がるV字型の明班が捉えられ、処理途中の右の画像が速報で送られてきた。 (八月の英文LtE参照)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/ISMO_LtE2024_08.htm
2005年・2020年の同じ季節のクリュセ付近で発生したダストイベントの初期の様子にあまりにも酷似しているので、ファサードにも取り上げた集合画像をフォスター氏に送り、今後の追跡を依頼した。
以前のダストイベントの観測記事は以下のリンクから辿れる。
2020年十一月の火星観測報告 (λ=307°Ls
~λ=324°Ls) CMO #502 (10 December
2020)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/502/2020repo_13.htm
2022年九月の火星観測報告 (λ=296°Ls
~λ=314°Ls) CMO #520 (10
October 2022)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/520/2022repo_08.htm
○ ダストイベントの発生
今接近でも季節的に同じ時期に、クリュセ付近にダストイベントが起きて南のエオス付近に拡がっている様子が、右図のように18日のフォスター(CFs)氏の観測で捉えられた。次いでアメリカ側のウィルソン(TWl)氏も夕縁に廻ったところで撮影していた。
この時期の火星面の様子は上段右の模式図で示した。位相角(ι)は40°と最大値に近く、夕縁の北半球側が大きく欠けている。見えているのは大きく午後の火星面である。図中で赤線で示した線が火星面地方時で正午の線となる。
フォスター氏が捉えたV字型のダストの明班は、下段に取り上げた過去の同じ季節に発生したダストイベントの様子と酷似していて、同様のイベントが繰り返されていることが判ってきた。その後の展開も似ているところがあり、日を追って紹介してゆく。今回は視直径もまだ小さく、詳細は捉えられていないが、以前の観測と並べて比較してみたい。上で取り上げた南氏のノートも参考になることと思う。
翌2日目 (19 August 2024)
翌日になると、アフリカ・ヨーロッパでは、ダストイベント発生域が朝方に移り、まだ明け方の観測時間が短い時期で追跡が難しくなり、アメリカ側の観測者に撮影が求められた。
ダストの明るさはエオスから、さらに薄く南に拡がっていて、ウィルソン氏の画像では、下段に取り上げた以前の画像のように、マリネリス渓谷の低地に拡がって西側に延びてオーロラエ・シヌスの南を横切って、西側にコアも感じられる。ソリス・ラクスはまだ暗く、ウィルソン氏のソリス・ラクス南側の細い明帯はダストの拡がりか、処理上の問題か区別できない。
ここで、ダストイベント発生領域の地図(LA PLANÈTE MARSより)と、MGS衛星のTES画像を並べた図を次に示す。地名の同定と地形の様子が判る比較図である。エオスからマリネリス渓谷の低地に沿って拡がったダストの明るさが、アウロラエ・シヌスの南でカプリ・コルヌ(Capri Cornu)を西に抜けて、アウレア・ケルソ (Aurea Cheruso)あたりに拡がっている様子である。以前の様子と比べても同様であろうと思われる。オピル(Ophir)としたあたりは平常時でも明るく見えることに注意されたい。カプリ・コルヌは海老沢図には抜けているので、アントニアジの図を使用した。カプリコルヌに関しては、以下のリンクのページに南氏の解説がある。
2003年八月前半(1 Aug〜15 Aug)の火星面觀測
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/277OAAj/index.htm
翌々日3日目 (20
August 2024)
三日目になって、東側の領域を撮影したフオスター氏の画像には、不鮮明ながらシヌス・メリディアニが変形している様子が捉えられた。アラムあたりに明るさがあり、共鳴したダストイベントが起きたようである。明るいダストの範囲は南半球の朝縁に拡がっている。
アメリカ側に移っての画像には、アルギュレに達したダストの明るさが西側のソリス・ラクスの南まで延びて大きなS字型の明帯になっている。北半球側でもクリュセの西側のクサンテまで明るさが拡がっているが、ガンゲスやルナエ・ラクスには、まだ濃度がある。過去の記録では、シヌス・メリディアニあたりで擾乱は起きている画像はなかった。2022年のイベントの画像はこの日から鮮明なものが残っていて、今回同様にS字型の明帯が感じられる。クサンテあたりの明るさも同様である。
4日目 (21 August 2024)
四日目になり、ピーチ氏が朝縁近くでアラムに共鳴発生したダストの活動を捉えた。その後のアメリカ側からの画像にもこの明るさが捉えられている。シヌス・メリディアニの変形は回復しているように見える。
前日のS字型のダストの明るさは変化して、アルギュレから西に延びたダストの拡がりが明るくソリス・ラクスの南にまで達していて先端はソリス・ラクスを覆っているように感じられる。ウォーカー氏の画像では南極方向にも拡がっている。北半球側のクリュセあたりでは明るさは弱まって小さな明るさの領域が散在している。過去の画像を見ても、アラムあたりに共鳴活動が起きていて、2022年では顕著である。アルギュレからソリス・ラクス南方に拡がっているダストの拡がり具合も似ている。
5日目 (22 August 2024)
五日目になるとソリス・ラクスには共鳴したダストイベントが発生して、明るいコアが撮影されている。
このソリス・ラクスでの共鳴は、過去のイベントでも観測されていて、2022年のものと今回のものが場所も明るさもよく似ている。
2020年では明るいコアは見えないが、アルギュレからの大きな西へのダストの拡がりが、ソリス・ラクスに達しているのが判る。
2005年では、ソリス・ラクスに接して小さいコアが見えている。翌日からは同じ位置に連日コアが発生して数日間観測されている。この時の様子に関しては、以下の論述に詳しく記述されている。
「21 Oct 2005 ソリス・ラクス發現の黄塵 」
"Bright Dust Core at Solis L Generated on 21 October 2005"
[CMO 2005 Mars Note (11)] CMO#328
(Ser2-p0561~ 和文)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/CMO328.pdf
6日目 (23 August 2024)
六日目になり、ダストベールの東側への拡がりはノアキス付近まで達して暗色模様を淡くしていった。アルギュレ付近ではダストが明るく東西に拡がっている。ソリス・ラクス付近のダストのコアは淡くなったようで、以下のメリッロ氏の中央経度(ω)を揃えた画像で22日の様子と比較すると判断できる。
メリッロ氏はベテランらしくωを揃えるために、観測時間の短い時期にもかかわらず、日の出後の明るくなってからの撮影も続けて比較が可能な連続画像を取得している。
2005年の画像には、ソリス・ラクスの明るいコアが捉えられ、東に延びるダストの帯は、アルギュレを越えてノアキスを横切りヘッラス周辺まで達している。その後も十一月上旬まであちこちでダストの活動は続いていた。2020年には、17日にはシヌス・メリディアニがダストで覆われるなどの活動があったが、十一月末までに新たなダストの活動はなく沈静化していった。2022年には九月末にかけて、クリュセからノアキスにかけてダストが拡がり、マルガリティフエル・シヌスやシヌス・メリディアニなどの暗色模様が朧気になっている。十月上旬には南半球高緯度に明るいダストが拡がり、全球的にも薄いダストベールが拡がっていて、北半球の高山は午前中から山頂がポークアウトして濃く観測されていた。そのような活動も十月末までには沈静化してきて、暗色模様の復活となっていた。
今年はというと、八月末にかけて南半球高緯度にダストベールが拡がり、西側ではソリス・ラクス以西へはあまり拡がっていないが、東側ではヘッラスの西まで達しているように見えている。新たなダストの活動は28日にクリュセからアラムあたりに明るさがあった。翌日も見られている。その領域の西側に南北に走る濃い線状模様が見えるようになっていて、ヒュダスペスが濃化しているようである。八月末でもまだ活動は治まっていないようである。
○ 北極雲の様子
マレ・アキダリウム付近の様子を並べてみた。各氏の画像にドーズのスリットが出ている。
次には、ウトピア付近に掛かる北極雲の様子である。
経度順に並べてみた。左画像には、北極雲の南にプロポンティスTが濃く判る。フレグラが朝縁のエリシウムを縁取っている。中央の画像ではエリシウムが夕縁近く、北極雲の南は、ウトピアの頭か?
右画像では、ウトピアの頭が北極雲を透かして見えているように思える。これから視直径が大きくなると詳細が見えてくることであろう。
下記のリンク記事も参考にされたい。
北極域の重要觀測期間(ドーズの1864年の觀測に寄せて)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn2/2005Coming_9j.htm
○
アルシア・モンスの夕方の山岳雲
今回はウォーカー(GWk)氏によりハッキリと捉えられた。
10日の画像ではRGB像で夕縁に明班が拡がっている。B画像でハッキリと範囲が判る。この時のアルシア・モンスの火星地方時は、17h50mころで日没直前である。
15日にはだいぶ内側でも捉えられている。B画像だけでなく、G画像にも明るさが判る。この時の火星地方時は、14h40mころである。
λ=200°Ls過ぎの、二度目のアルシア・モンスの夕方の山岳雲のピークはλ=320°Lsと思われる。
詳しい記事は以下のリンクから辿れる。
CMO 2005 Mars Note (4)
CMO321 (25July 2006)
「2005年のアルシア夕雲」
“The Arsia Evening Cloud in 2005”
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/CMO321.pdf
○ 南極冠の最終確認。
傾きが南向きから北向きに換わる時期となり、最終段階の南極冠の確認は難しくなった。確実に南極冠の明るさが認められる画像は、熊森氏が撮影した月初めの右画像である。
♂・・・・・・ 2024年八月の観測報告
八月の観測報告は、日本から石橋氏と浅田氏が加わって四名となり、13観測。フィリッピンから阿久津氏の4観測。アメリカ側から四名、61観測。アフリカから一名、22観測。ヨーロッパ側からも三名より6観測。合計して、十三名からの106観測であった。
阿久津 富夫 (Ak) セブ、フィリピン
AKUTSU, Tomio (Ak) Cebu island, The PHILIPPINES
2 Sets of RGB
+ 2 Colour* + 3 IR Images
(2, 13, 19 August 2024)
45cm Newtonian (F/4) "stopped 30cm"
with a Mars-M & an ASI 224MC*
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_Ak.html
浅田 秀人 (Ad) 京都市、京都府
ASADA, Hideto (Ad) Kyoto,
3
Colour Images (13, 15, 20 August 2024)
31cm Newtonian (F/6.5) with an ASI 385MC
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_Ad.html
クライド・フォスター (CFs) ホマス、ナミビア
FOSTER, Clyde (CFs) Khomas,
14 Sets of RGB + 17
IR Images (11~16 , 18~20, 23,
26~28, 30, 31 August 2024) 15 days
36cm
SCT with an ASI 290MM
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_CFs.html
比嘉 保信 (Hg) 那覇市、沖縄県
HIGA, Yasunobu (Hg)
2 Colour
images (12, 13 August 2024) 25cm Newtonian with a Panasonic 4k video
camera
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_Hg.html
石橋 力 (Is) 相模原市、神奈川県
ISHIBASHI, Tsutomu (Is) Sagamihara,
2 Colour Images (3,
11 August 2024) 31cm
Newtonian (F/6.4) with an ASI 462MC
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_Is.html
マノス・カルダシス (MKd) アテネ、ギリシャ
KARDASIS, Manos (MKd)
1 R Image (19
August 2024 ) 28cm SCT with
an ASI 183MM
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_MKd.html
熊森 照明 (Km) 堺市、大阪府
KUMAMORI, Teruaki (Km) Sakai,
Osaka, JAPAN
6 LRGB + 6 IR
Images (2, 7, 17, 22, 27 August
2024)
36cm SCT @ f/38 with an ASI 462MM & ASI 662MC
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_Km.html
フランク・メリッロ (FMl) ニューヨーク、アメリカ合衆国
MELILLO, Frank J (FMl) Holtsville, NY, the
18 Colour &
6 >610nm#*
Images (5, 13, 15, 21#~25#, 27# August 2024)
25cm SCT with an ASI 120MC, ASI 290MC# & a DMK 21AU618,AS*, ASI 290MM#
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_FMl.html
エフライン・モラレス=リベラ (EMr) プエルト・リコ
MORALES RIVERA, Efrain (EMr)
Aguadilla,
4 RGB images
(6, 19, 23, 29 August 2024)
31cm SCT with an ASI 290MM
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_EMr.html
デミアン・ピーチ (DPc)
ウエスト・サセックス、英國
PEACH, Damian A (DPc)
Selsey, WS, the UK
4 Colour Images
(19, 21, 23, 29 August
2024) (36cm SCT with an Uranus-C)
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_DPc.html
ゲイリー・ウォーカー (GWk) ジョージア、アメリカ合衆国
WALKER, Gary (GWk) Macon, GA, the USA
11 Sets of RGB
Images (10, 15, 20~26, 28, 29 August 2024)
25cm Mak-Cassegrain with an QYH 5V200M-
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_GWk.html
ヨハン・ワレッル (JWr) スキヴァルプ、スウェーデン
WARELL, Johan (JWr) Lindby,
1 IR
Images (3 Auguat 2024) 53cm
Newtonian @f/15 with an ASI 462MC
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_JWr.html
ティム・ウイルソン (TWl) モンタナ、アメリカ合衆国
WILSON,
Tim (TWl) Jefferson City, MO, the
22 RGB
Sets + 3 R + 22 IR Images (3~6, 8, 17~23,, 26. 27, 29, 30 August
2024)
28cm SCT with an ASI 678MM*
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2024/index_TWl.html
♂・・・・・・ 十月の火星面と観測の目安
十月には火星は「ふたご座」で順行を続けて月末に「かに座」へはいる。赤緯は最北は過ぎたがまだ高く、出も夜半前の22時(JST)台になり観測時間は北半球では伸びて行く。視直径(δ)はδ=7.6”からδ=9.2”と大きくなり、眼視観測の期間に入っている。季節(λ)は月末にはλ=354°Lsと、北半球の「春分」間近まで進む。
十月の火星面の様子を以下に図示する。経度・緯度のグリッドの表示になっている。
←P は、モータードライブを止めたときに火星が移動して行く方向で、南極を正確に上に向けるときに重要な値(北極方向角)で、暦表ではΠで示している。
北極方向角とは天の北極から惑星面の北極までを、反時計回りに計った値である。
季節(λ)は、λ= 338°Ls〜354°Lsと進み、傾き(φ:中央緯度)は 9°Nから14°Nへ大きくなる。位相角(ι)は少し小さくなるが、まだι=39°台で夕方の欠けは大きい。
まだアルシア・モンス (Ω=121°W, 09°S)の夕方の山岳雲の活動期間(λ= 275°~λ=
340°Ls )が続いていて、B光画像での撮影が確認に重要である。
北半球起源のクリュセ付近を発生源とするダストイベントの季節は続いていて(λ=310°Ls~λ=350°Ls)、新たな発現の監視態勢は重要である。