ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年3月7日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

森脇淳 教授
チューター:木村嘉之(博士課程 2回生),長尾有晃(博士課程 2回生)

実施場所:理学研究科 3号館 109号室

高々n-1個の箱からなる位数nの部分ラテン方陣は、同じ位数のラテン方陣に拡張できることを主張するエヴァンス予想の、スメタニウクによる証明を高校生に説明させた。講読している本『天書の証明』の25章の後半に当たる。また、ラテン方陣の数についての問題を興味を持った高校生に出題した。

 

ELCASメンバー用WIKI・数学もご参照ください。より詳しい解説の記載があります。

受講したELCASメンバーの感想文

  • ラテン方陣の続きをやりました。
    図をたくさん使いながらの証明だったので、 分かりやすかったです。
  • 難しかったです。
    ラテン方陣ってとても単純な形に見えるのに、 定理を証明するだけにすごい技術や発想が 詰まっているなぁと思いました。
  • 今日は僕の発表。
    黒板に書くことは決めていたのに言葉で説明するときに、自分でも何を言っているのか分からなくなってしまった。 やっぱり人前で発表するのは難しい。
  • ラテン方陣はなかなか面白い内容であったが、 証明は複雑であり、理解に時間がかかった。
  • 理解りやすくて前回同様内容も面白くて楽しかったです。
    オープン講座は今は自分と全く関係なさそうなことだけど、 将来的に医療の発展などに大いに貢献して欲しいと思いました。
  • 前回よりも難しめのラテン方陣に関する定理を考えた。 実際に数字をあてはめて見たら分かりやすかった。 ラテン方陣は分かれば楽しいです。
  • 「こうやったら出来る」っていう手順は分かっていても、 それを文字や文章にして表すのは大変だとあらためて思った。 TAの人が書いているみたいに、数学記号を使って 書けるようになってみたいと思った。

物理

チューター:佐田優太(修士課程1回生),酒向正己(修士課程1回生)

実施場所:理学研究科 5号館 323号室

前回使ったシンチレーション検出器からの信号をNIMモジュールにつなぎ、discriminetor(シグナルのデジタル化)、coincidence(シグナルの同期)、scaler(カウントの可視化)のそれぞれのモジュールの使い方を学び、宇宙線の数を測定してもらった。また、休憩時間には磁石で鉄球を加速させるガウス加速器にも触れてもらった。

寿命の式を導出する
検出器の接着面にセメントを塗る
検出器を固定して接着を待つ

受講したELCASメンバーの感想文

  • はじめてプログラミングをすることができて良かったです。コンピュータも勉強しなければならないと改めて思いました。4日が恐くてたまりません。
  • 日頃、パソコンを家で使う機会があまりないだけに、今日のパソコンを使ってやることはとても楽しかった。また、内容もなかなか難しかったが、家に帰ってもやってみようと思う。
  • μの寿命をパソコンでC言語にしてやってのですが、乱数にしているので生きるか死ぬか見ていてとても面白かったです。又、C言語からこのように表すことが出来るのも面白いと思いました。
  • 今日は、寿命と半減期を学びました。やっと微積とか、前に習ったことを今使っているんだな、と実感しました。あと、パソコンのプログラムを使って、グラフをつくりました。おもしろかったです。
  • 今日はパソコンを使ってミューオンなどの寿命を測り、グラフで出したのでとても楽しかった。プログラミングでは、キーボードを打つのが遅いので、もっと練習して打つのを速くしたいと思いました。春休みは特訓です!!
  • 原子核の寿命の定義や半減期との関係を数式を使って分かりやすく教えてもらったが、実際にコンピュータでシミュレートできたので、理論を体感しながら理解することができた。

天文

柴田一成 教授
加藤精一非常勤講師
野上大作助教
チューター:西田圭佑(博士課程3回生),松本琢磨(博士課程2回生)

実施場所:花山天文台本館図書館

まず前回の復習として、柴田教授からニュートンの運動方程式についての説明がなされた。次に加藤講師により、ボールの投げ上げ運動を数値的に解く方法についての講義と実習が行われた。講義では一定重力下でのボールの運動方程式を導出し、差分化を行った。実習ではEuler法によって微分方程式を数値積分し、ボールの軌跡を求めた。

運動方程式の説明 ボールの投げ上げ運動について

実習風景

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は前回使用したFortranという言語のプログラミングの続きをした。物体の放物運動に登場する微分方程式をオイラー法、修正オイラー法を用いて計算をさせグラフ化するというもので とても楽しかった。原理的にはオイラー法は積分の区分求積と同じもので簡単なものだが、実際にプログラミングするのは変数の設定などが面倒で少し大変だった。
  • 今まで高校の知識を実際に使ったことはなかったが、実際にパソコンを使って行うとこうも違うのかと驚いた。活動中にはあまり理解できていなかったが、次回までに使いこなせるようにしたい。
  • 微分積分やベクトル、力学など、はじめて習うことも多くてついていけるか不安でしたが、先生が一対一で教えてくださって微分方程式を展開する方法やフォートランの操作にも少し慣れることができました。次回はもっと予習してスラスラ使えるようにしたいです。
  • 今日初めて、プログラミングというものを触ったのですが、とても難しく感じました。でも、このfortran90というソフトを使えば、人の手では時間がとてもかかるものが一瞬でできるので、とても便利なものだなと思いました。また、できればこのソフトの使い方を覚えていろいろなものを試してみたいと思います。
  • ソフトのインストールから始めたので、みんなに遅れをとってしまった。まだまだパソコンの使い方にもなれていないので、実験内容とソフトの使い方の両方を理解しなければならなかったので、とても大変だった。
  • 修正オイラー法を使うと、オイラー法を使った時よりもけっこう正確な値がでた。分からなかったところは先生がすぐに教えてくれたのでよかった。けど、目がイターい。

生物

疋田努 教授
チューター:大渕希郷(博士課程3回生),片山亮(博士課程3回生)
実施場所:理学研究科2号館 216号室

日本に生息するヘビ3科7種とマダガスカルに生息するカメレオン3属6種の標本を、日本語および英語で記述された種の検索表を用いて同定する。

生きているヘビに触れる 同定に用いたヘビおよびカメレオンの標本
種の同定を行っているところ

受講したELCASメンバーの感想文

  • ヘビの鱗を数えるのが難しかった…。種の同定がこんなに面白いものだとも、ヘビの触り心地があんなに気持ち良いものだとも知りませんでした。

  • 今日は、初めてトカゲやヘビをベタベタ触ることができました。鱗がザラザラしていたり、閉じている口を無理矢理開いて牙を見てみたり、やりたい放題でした。死んでいて良かったです。これらのヘビやトカゲを種別に分類して名前を当てたのですが、鱗の数を数えたりするのが大変で、なかなか大変でした。けれど、実際に名前が分かった時の嬉しさは凄かったです。今日は3〜4匹しか調べる事ができなかったけど、是非もっと調べたいと思いました。

  • 今日はテンションが上がりすぎて楽しかったです。ヘビとカメレオンを見て、触ったりできました。資料を基に種類を特定するのが思ったよりも難しくて大変でした。ヘビの方は日本語だったのでまだマシでしたが、専門用語ばかりで大変でした。また、カメレオンの方は資料が英語だったので、読むだけでも一苦労でした。どれも同じように見えてしまって決めるのに時間がかかりました。今日はとっても頭を使いましたが、とても楽しかったです。