ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年5月2日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:木村嘉之(博士課程 3回生),長尾有晃(博士課程 3回生)

実施場所:理学研究科 6号館 609号室

整数点を頂点に持つ多角形の面積が、内部の整数点の数と境界上の整数点の数で表わされることを主張するピックの定理の、オイラーの平面グラフに関する定理を利用する証明と、二つの平方数の和で表わされる素数に関するフェルマーの定理の、鳩の巣論法を用いた証明について、それぞれ別々の高校生に説明させた。輪読している本「天書の証明」の10章後半と4章前半に対応する。

受講したELCASメンバーの感想文

  • modってあんまり応用して使ったことなかったけれど、こういう風に使うんだなと思った。
  • あっというまに証明が終わってしまって、ちょっとついていけなかった。あとでゆっくり考えたい。
  • 自分の発表するところが終わって安心しました。まだ紙を見ながらしかできなくて残念でした。整数を平方数の和で表すものの証明はメンバーがすごくスムーズに説明していてすごいなと思いました。けどやっぱり難しかったです。4章の続きを次の回でするまでに理解を深めたいです。
  • 多分、最後の発表だったので、気合を入れてみました。楽しかったですが、かなり疲れました。オイラーの公式の応用は難しいです。
  • 図形はあまり好きでないので、「お!っ」って言うのは、ないんですけど、最近習った行列とか分かって嬉しかったです。

物理

チューター:佐田優太(修士課程2回生),酒向正己(修士課程2回生)

実施場所:理学研究科 5号館 511号室

これまで実習してきた内容、特に複数のシンチレータを使った同時計測の方法について、高校生に白板を用いて説明をしてもらった。これから実験をするに辺り、何に注目していけばいいかを考えてもらった。

その後、実験の概要を説明し、どのように装置を配置し、どういう論理で実験を進めればいいかを考えてもらい、各々発表してもらった。

これまでの内容について、発表してもらう
これから行う実験の配置を考えてもらう

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • いつもやってることが意外に頭に入ってなかったり、ということもあって、復習して、しっかり頭の中に入ったのでよかった。
  • μの崩壊から電子を測定する方法を考えた。色々な条件を考えると難しくて、とても疲れた。
  • 今日は、次回やる実験の予定と装置について考えました。考えることは難しいし、大変だな。と思いました。来週は頑張りたい、と思いました。
  • 7月18日の発表に向けて本格的に実験の計画を立てた。実験も成功させて、良いプレゼンができるようにしたい。

天文

柴田一成 教授

加藤精一 非常勤講師

野上大作 助教

チューター:西田圭佑(研究員),松本琢磨(博士課程3回生)

実施場所:花山天文台本館

最初に、ケプラーの法則を数値計算によって確かめる課題について、高校生が発表し、議論を行った。次に、地球から打ち出された宇宙船が、月まで行って地球まで戻って来るためには、どのような速度を与えればよいかという課題について、数値計算を用いて考察した(制限三体問題)。修正オイラー法やルンゲクッタ法を用いることで、これまで用いてきたオイラー法より正確な解が得られることを確かめた。最後に花山天文台の45cm屈折望遠鏡で月や土星の観望を行った。

ケプラーの法則を考察 45㎝屈折望遠鏡で月を観察

45㎝屈折望遠鏡で見た月の一部(写真中央が「未開の入江」

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日の実習は前回やったオイラー法より修正オイラー法の方が正確にでるということがよくわかる内容でした。
    また、この実習の終わりまでに、銀河の衝突をシミュレーションするらしいので楽しみです。
    さらに今日は急遽観望会ができることになって、土星や月を見ることができました。
    特に月のクレーターがみれたのは、自分にとってとてもうれしかったです。
  • とても難しくてあまり理解できなかった。土星はちょっとショックだった。
  • 人工衛星のプログラムでは、オイラー法で求めた軌道と修正オイラー法で求めた軌道がものすごい違っていたので驚いた。
    近似というものは正確にやらないといけないものだとあらためて思った。
    観望会では、月のクレーターがしっかりと見れてきれいだった。土星も見ることができたが、
    ちょっとピントがぼけたりして、きれいには見れなかったので、少し残念です。
  • 今日は前回やったことの続きで、より精密な方法でパソコンに計算させるという内容でした。既に習っていたので、
    家でやっていて、あまり新しい発見がなくて少し退屈だったのは残念です。後半は月、土星の観望会で
    とても感動しました。良い経験ができたと思います。
  • 今日の修正オイラー法は、すごく難しくて、手こずったので家で復習したい。久しぶりの天体観測はすごくきれいで
    月のクレーターが大きく見えた。寒かったけど楽しかったです。
  • 計算式が難しくて、理解できなかった。
    説明して頂いていても、パソコンの方になると急に混乱してきた。
    月と土星がきれいに見れて良かった。
  • オイラー、修正オイラー、ルンゲクッタの違いが本当に良く分かった。
    頑張って、無事に銀河を衝突させたい。
  • コンピューターでできない計算を別の方法で行い、その誤差を少なくするために方法を工夫していくと知って驚いた。

生物

佐藤ゆたか准教授

チューター:久保純
実施場所:植物園内gCOEゲノム実習室 

コンピューターを使用して最新のゲノムプロジェクトの成果を体験する。その例として、ヒトのアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)をとりあげ、日本人に多い変異(一塩基多型:SNP)を調べ、塩基配列上での置換がアミノ酸配列でどのような変化があるかを見る。加えて、ヒトのALDH2遺伝子配列をチンパンジーなど他の生物の配列とを比べてみる                    

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は、ゲノムの配列の調べ方や、幾種類かの配列を比較する方法について学びました。塩基配列やコードされたアミノ酸の違いが一発でわかるとは、、、。コンピューターはすごい!

  • 今日はゲノムを調べました。お酒に弱いいでんしがある事にびっくりしました。
    人の塩基配列をずっと見ているととても頭が痛かったです。人とチンパンジーの遺伝子の比較もやりました。けっこう同じでほんとにびっくりでした。ゲノムってすごいなぁーってほんとに思いました。自分のゲノムもいつか解どくできたらいいなーって思いました。

  • 今日の内容は、少し難しかったけれど、ゲノムについて何となく、、、色々わかった気がします。たった1つの塩基配列が違うだけで、アルコールに強い、弱いっていうのが大きく変わってしまうということに驚きました。自分の体の性質というのは、本当に小さい単位で決まるというのは、不思議なことだな、と改めて思います。いつか、自分のDNAも解せきしてみたいな、と思いました。
  • 今日は、パソコンを使って作業をしたので目が疲れました。
    でも、初めて使うプログラムがいっぱいあったので面白かったです。
    アセトアルデヒドのゲノムを見てみたり、ヒトと他の動物のゲノムを見てみたり、ちょっと難しかったです。
  • パソコンを使っての実習で、目と骨がつかれました。
    ゲノムという言葉は知っていても、どんな風になっているのかなどほとんど知らなかったので、知れてよかったと思います。
    チンパンジーとヒトのゲノムが予想以上に似ていて、チンパンジーがヒト科?に入っているのも納得という感じでした。
    たった1つの塩基の違いでも、作られるタンパク質が変わるというのは、学校の授業でやって知っていましたが、アルコールという具体的な例でわかりやすかったです。