ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年12月19日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:丸橋 広和(修士課程 1回生),竹内 光(修士課程 1回生),広瀬 稔(修士課程 1回生)

実施場所:理学研究科3号館109号

今日は、発表してもらう子が休みだったので、話し合いの結果みんなで問題を解くことにした。高校生に出題してもらって、チューターたちも面白いと思う問題を出題した。解けた高校生がいたら、解法を前で発表してもらった。高度な知識は要らないが、アイデアの要る難しい問題ばかりだった。


集中している高校生たち

解けたら前で発表してもらいます
 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日はいろんな問題がたくさんできて面白かったです。
  • 今日は問題をみんなで出し合って考えたのですが、普通に考えるととても難しくなってしまい大変でしたが、ある方法などを思いつくと簡単に解けとてもうれしかったです。
  • 難しい問題ばかりでしたがとても楽しかったです。図形の問題が特に面白かったのですが、その中のトーラスの問題が特に気になるのでまたじっくり考えようと思います。
  • 今日はみんなで出し合った問題を解いた。難しい問題が多かった。
  • いろんな問題を解いた。球面の面積の問題は面白かった。

物理   

米沢進吾(助教)、常見俊直(研究員) 

チューター:服部 泰佑(大学院1回生)、家 哲也(大学院1回生)、 野沢 勇樹(学部4回生)、渡邉 大樹(学部3回生)

実施場所:理学部5号館511号室

今回は物理学第一教室の米澤さんによる「凝縮系物理学」の講義を行った。凝縮系物理学を学ぶ上で欠かせない、絶対温度の概念や低温で起こる巨視的な量子現象である超伝導について勉強した。また実習として、液体窒素を用いて物質を冷却して低温の世界で起こる現象を体感し、さらに液体窒素温度で超伝導を示す試料を用いて超伝導の性質も調べた。


 
超伝導の実験
液体窒素を使っていろいろな物を冷やす実験 超伝導の理論の勉強

 

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 液体窒素の実験をすると聞いて、家からいろんなものを持ってきたのでとても楽しかった。
  • 特に消しゴムはびっくりするぐらい爆発しておもしろかった。花を凍らすと、教科書どおりパラパラになって感動した。講義も初めて聞くお話ばかりで刺激的でした。
  • 超伝導は不思議でおもしろかったです。液体窒素でいろいろな実験ができてよかったです。
  • (超伝導の)実験だけなら何度も見たことがあったけれど、理論的にやったのは初めてだった。不思議な現象も説明できておもしろかった。
  • 超伝導が位置を記憶して戻るというのはすごいと思った。
  • 今回は物理第一教室の初めての講義だったので、お目当てだった超伝導の実験ができて楽しかったです。ピン止め効果を理論的に理解できておもしろかった。
  • 液体窒素でいろんなものを冷やせて楽しかった。超伝導にも興味がわいた。最後に出された宿題にも頑張って取り組みたい。
  • 超伝導が抵抗ゼロだったり、磁石がその上を浮いたりすることは知っていたが、その理由を初めて詳細に知ることができておもしろかったです。

天文

野上大作(助教)

チューター:石井貴子(研究員)、阿南徹(M2)

実施場所:花山天文台

花山天文台太陽館シーロスタットを用いて黒点を観測した。シーロスタットの第1、2鏡を動かし太陽を導入。太陽像を白い板に投影し黒点スケッチをした。またスリットを黒点に合わせて黒点のスペクトルを観察した。

 日没後はIDLを用いて以前撮影した西リム、太陽中心、東リムの分光データから鉄吸収線(6302.499Å)のプロファイルを作成した。

追尾を止めて黒点を追跡。どっちが東? 太陽を太陽館へ。
IDLで解析

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • なかなか天候が思うようにいかず、なかなか順調には観測が進みませんでしたが、今日はわりあいはっきりした黒点を見ることができてよかったです。今まで見たことなかった現象を自分で目にして実際に確認できてとても有意義だったと思います。
  • 太陽のデータをとるだけでもたいへんだったが、それをパソコンで計算できる形にまで持っていくのもそれ以上に大変だった。ただ将来研究職につく場合や、それ以外の職業についた場合でもこういったパソコンを使った作業は必要になってくると思うのでいい勉強になったと思う。
  •    
  • 生まれてはじめて太陽の黒点が見られてとてもうれしかった。2つあり、ごまのようだった。暗部と半暗部があり、スケッチもできた。太陽の明るさを表したグラフを解析するのが相変わらず難しかった。前1回やったと言われたにもかかわらず、うすぼんやりとしか思い出せなかった。また天体観測がしたい。次回はだいぶ間が空いてしまうが努力したい。
  • 太陽観測では、黒点を見ることができて良かった。くもったのがちょっと残念だった。パソコンではデータ処理をした。今回はいつもより楽しくパソコンができたと思う。慣れたかな・・・?とりあえず上手くできて良かった。
  • 今回は観測が途中でできなくなって、もう少ししたかったと思います。計算はやっぱりパソコンを使えるようにしないといけないことを改めて感じました。
  • データを作るのが少し面倒だったけど楽しかった。太陽の観察がしっかりと出来なかったのが残念だったけど、実際に望遠鏡を動かせたのはとても楽しかったし、初めてのことだったのでとても嬉しかったです。スペクトルのデータも実際に見てみて楽しかった。

生物

岡田 徹也(助教)

チューター:蜷川 暁(博士課程3回)

実施場所:理学部1号館3階

まず実習生に実習内容と原理の解説を行ってから作業に入りました。今回の実験内容は大きく分けて2つです。間接蛍光抗体法によるマウス細胞の染色と、メダカの受精卵へのinjection体験を行いました。さらに研究室見学として、実際に細胞を見てもらったり、メダカを飼っている実験室を見学しました。

 
間接蛍光抗体法の作業途中の様子。
間接蛍光抗体法で染めた細胞を共焦点顕微鏡で観察する様子。
メダカ受精卵にマイクロインジェクションする様子。

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • メダカの細胞質を染色するのが難しかった。間接蛍光抗体法は、最後の最後で容器を破壊し、自分のが見れず残念でしたが、他のヒトの画像が綺麗ですごいなーと思いました。
  • 今日は間接蛍光抗体法を用いた実験をしました。何回もピペットマンを使ったので腕前は達人並みになったと思います。PBSで洗浄したりして作業をたくさんしたけど、最終的にあまり染まってなくて残念でした。マイクロインジェクション法での実習はメダカの卵に針を刺すのが難しくて手間取りました。全体的に作業が多くてとても充実した時間だったと思います。ありがとうございました。
  • 今日の蛍光技術を用いた実験は初めて体験したことがとてもおおくて楽しかったです。間接蛍光抗体法による細胞染色は、液を入れたりぬいたりの連続で、液を間違えていれないように注意しました。マイクロインジェクション法で、メダカの受精卵に人工的に作製したDNAを打ち込む実験はすべて初めての作業だったのでとても大変でした。しかし高校では体験できない事ができてとても楽しかったです。
  • 今日は、細胞染色をするのが難しかったです。
  • 間接蛍光抗体法を用いてマウスの細胞を染色してみて、すごく手間がかかって何回もPBSで洗浄して…を繰り返して結局見れたので嬉しかったです。
  • PBSで洗う作業が多くて大変だったけど、最後までなんとか作業をして染色がきれいにされた1次抗体を見られて嬉しかったです。抗体の値段が高い事に驚きました。
  • メダカの卵に針を刺す事が意外と難しかったです。蛍光でタンパク質を光らせるため3時間近く準備を頑張りましたが、はっきり光らなくて残念でした。途中で手順を間違いそうになった事も何度かあったので、言われたことをただ行うだけでなくしっかり理解しながら実験できるよう心掛けたいです。

化学

八田 振一郎(助教)

チューター:岩田 学(修士課程1回生)、淡野 秀行(学部4回生)

実施場所:理学部6号館 表面化学研究室

今回は、まずサンプルをダイアモンドカッターで切りだす体験から始めてもらいました。その後、超高真空に入ったシリコン試料を赤熱させて、その様子とLEEDパターンを観察しました。次に、その試料にビスマスを蒸着させてLEEDパターンの変化を見てもらい、最後に加熱によってLEEDパターンが変化するのも観察してもらいました。

ビニル手袋をはめて、本番さながらのサンプル切りだしを体験してもらいました。 LEEDパターンを確認しています。
みんなで清浄化したシリコン(111)のLEEDパターンです。

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • ダイアモンドカッターでシリコンを切断するのがたのしかった。また、前回の実験とつながっていてよかったと思う。真空中で温度を上下させると、変化が起こるというのを見た。授業用の冊子に書いてあったように、化学というより物理って感じだった。
  • 丁度学校で回折についての授業を受けたばかりだったので、よく理解できました。実験のやり方やそのメカニズムを通して、授業でうけたことが分子の構造の解析について調べることに使われていてとても感動しました。
  • 前回やったレーザーの回折実験から、電子を使った回折実験をしてみて、きれいに結晶の形が見えたのに感動しました。半導体と導体での抵抗の変わり方や、薄膜をつけたときの結晶の変わり方など、詳しくて興味深い話をたくさん聞けて良かったです。 実際にSi結晶を切ったりするのも、結晶格子の角度によって切れやすさが変わるのも面白かったです。
  • 清浄化したシリコンを見ると、この前学校で習った面心立方格子がきれいに正六角形で見えて 嬉しかったです。エネルギーによって形が動いて行くのが宇宙みたいでした。小さな世界の 規則性が見れて良かったです。
  • シリコンという物質があんなに輝いているとは思わなかった。回折を主に使った実験だったので 分かりやすかった。実際目に見えたり、数を数えたりできたので楽しかった。
  • 今回は、「表面化学」ということでシリコンの結晶を切りました。「シリコン」はやわらかくてプニ プニしていると思っていましたが、固くてびっくりしました。ダイアモンドカッターで切るときに、 90°、45°の角に切るのが難しかったですが、成功したときの断面はとても輝いていてきれい でした。次に真空状態でエネルギーを上げ下げして(LEEDパターンを)観察すると、だんだん変っていき、実験することによりとても分かりやすかったです。