ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年6月6日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:木村嘉之(博士課程 3回生),長尾有晃(博士課程 3回生)

実施場所:理学研究科6号館 609号室

落とした針が等間隔に並んだ罫線と交わる確率について問うビュフォンの針の問題について

二つの解法を高校生に発表させた。

ひとつは交わる罫線の数の期待値が針の長さについて線形であることを巧みに用いるものであり、

罫線の幅を直径とする円形の「針」を考えると、必ず二か所で交わることから答えが求まる。

もうひとつは積分を用いた標準的なものである。

答えは円周率を含んだものになり、実験で円周率を求める一つの手段を与える。

受講したELCASメンバーの感想文

  • 計算がんばらないとなぁと思った。
    「同様に確からしい」っていうのをちゃんとやるのはムズかしい。。
  • 円形の「針」がでてきてびっくりした。
    というより確率にπが出てきて正直いうとあんまり信用できない。
    てなわけで、実験したけど、50回程度では「π=4」になってしまった。
    やっぱりあんまり信用できない。
  • ビュフォンの定理でした。針が線と交わる確率なんて一瞬無謀に思えるのに、
    細かく定義したらできるものなんだと思いました。すごく面白かったです。
  • 水無月に入って皆と学ぶ機会もあとわずかとなり、
    とても寂しく感じます。今日の証明では「確率がほとんど0のものを無視する」というのが、
    少しごまかされたような気分でした。

物理

チューター:佐田優太(修士課程2回生),酒向正己(修士課程2回生)

実施場所:理学研究科 5号館 511号室

ミューオンの寿命測定のための検出器の配置と測定回路を前回から少し変更をした。変更の理由を説明した後、再度、測定原理と測定回路の説明をし、各自で配線を追いかけながら、回路図を作成してもらった。

その後、データ解析に使用するソフト(ROOT)のインストールし、使い方を学習した。最後に、今回の実験データの見方をROOTを使って説明した。

検出器の大きさや配置を測定した 検出器と金板をセットしていく
検出器の配置完了

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 教えてもらって今回の回路がようやく分かりました。いろいろ今日は難しくて頭を使いました。勉強になります。
  • もうあまりに難しくてついていくのが大変だった。むしろ、ついていけてないかも…。講義の内容といい、ちゃんと物理勉強をしようと思いました。
  • 今日は難しいことばかりだったのですが、それなりに理解できてよかったです。特に回路図が納得がいけてよかったです。
  • 正直今日は、わかったのかわからなかったのかもわかりませんでした。次にやれと言われたらわかりませんが、家でしっかりと復習しておきたいと思います。
  • ミューオンの崩壊について、やっと今行っている実験で得たデータとその寿命とを測定する形に持ってくることができた。次回でなんとか発表できる形にもっていきたい。
 

天文

柴田一成 教授

加藤精一 非常勤講師

野上大作 助教

チューター:西田圭佑(研究員)、松本琢磨(博士課程3回生)

実施場所:花山天文台本館図書室

シミュレーションの最終課題として、高校生たちに各々次の4つの課題のうちから1つを選んでもらった:
(1) 火星の公転をオイラー法、修正オイラー法、ルンゲクッタ法でそれぞれ追跡して結果を比較する。
(2) 地球周回軌道上でスペースデブリが拡散していく過程を調べる。
(3) 木星フライバイを用いた探査機の軌道変更のシミュレーションを行う。
(4) 制限三体問題として銀河の相互作用のシミュレーションを行う。

一部の課題は難易度が高く、時間内では終わらずに宿題となった。

これらの結果を7月の発表会で発表する予定である。

最終課題を説明 プログラム作成中

銀河の相互作用のシュミレーションを行った結果。

この例では、回転方向の異なる2つの銀河が接近することで、一方の銀河(ピンク)が、もう一方の銀河(緑)から星を奪っている。

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 1番簡単な課題でも、プログラムでてこずった。プログラムのルールが分からないので、ほとんど先生方にやってもらってしまった。でも、最初の頃よりは少しは慣れた。
  • 銀河衝突のアニメーションを見て、すごく感動した。アニメーションになると、想像以上の動きが出たりして、シミュレーションの大切さがわかった。また2億年ぐらいの時間をかける銀河の衝突を、数秒で見れるのもすごいと思った。銀河のように大きなものでも、今までしたような計画で扱える、というのを改めてすごいと思った。
  • 銀河の衝突のプログラム作成はとても難しかったです。特にサブルーチンやその他のプログラミング言語に使い慣れるのは大変でした。発表会までに習得できるように頑張りたいです。
  • 今日は、シミュレーション最後の日ということで、自分で課題を選んで実際にやってみるものだった。
    自分はスペースデブリの課題を選んだのですが、難しかったです。もっと時間が欲しいと感じました。
  • 本日は、ひたすらにデータの打ち込みをしたのでとても大変でした。しかも、前回などに休みが続いたので理解する時間がたくさん必要でしたが、先生が本当に丁寧に教えてもらえました。この調子で残りも片付けていきたいです。
  • 今日は、各々による作業が中心であったが、木星のフライバイをシミュレーションするのに、たくさんの量の式が必要であったりしたので、つかれた。過去最大の宿題が最後に来やがった的な感じです。
  • 頭が干上がりかけるほど大変だったが、最後の最後にはなんとかできてよかった。いやーよかった、、。
  • チューターの人のおかげでなんとかできそうかも(?)。やっぱりシミュレーションは難しいと思った。

生物

戸部博教授

チューター:山本武能(修士課程1回生)、小森晴香(修士課程1回生)

実施場所:理学部2号館218号室

パワーポイントを用いて発表を行う際の留意点(発表の流れ、よくやってしまいがちな悪い例、図表の使い方、アニメーションの効果的な使用法等)について講義形式で学習した後、発表の流れや各人の担当場所、次回までの課題等について話し合いを行った。

講義風景 発表の流れについて話し合い
発表担当決め

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日はなんかよくわからなかった。まあ、とりあえず、植物の重力屈性を調べようということで。

  • 今日は作戦会議でした。発表箇所が決まりました。植物と光についてだそうです。さて、どうまとめるべきか・・・。

  • 今日は作戦会議をした。僕は昆虫類の種に見られる形態変異について発表。
  • 今日は、7月にある修了発表のための準備をはじめました。みんなで、どうやって、楽しく発表していけるか話し合いました!発表するの、すごく緊張しそうなので、、ちゃんと準備しないとだめだなーと思いました。